移民問題で世論分断の米国、38%が「受け入れ削減」に賛成

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移民の受け入れが米国の政治の争点となる中、ギャラップ社が8月8日に発表した新たな世論調査で、米国人の移民受け入れに対する支持率が2年ぶりの低水準に落ち込んだことが明らかになった。

7月に1013人を対象に実施されたギャラップの世論調査で、27%が移民を拡大すべきだと回答したが、この数値は2020年のピークの34%を下回り、65年間続いた右肩上がりの上昇に終止符を打った。

また、「移民の数を減らすべき」と答えた人は38%で、2020年の28%から上昇した。「現在の水準を維持すべき」と回答した人は31%だった。移民の拡大に反対する人々の割合は、1995年のピーク時に65%を記録して以降、減少していたが、今回の調査で2016年の水準に回復した。

共和党で移民拡大に反対する人々の割合は、2020年から21ポイント上昇して69%になった。民主党は同期間に5ポイント増の33%となり、党派間の格差はこれまでで最大の36ポイントに広がった。

また、移民に関する意見は、年齢層によって大きく異なっており、18歳から34歳までの回答者の83%が「移民は国にとって良いことだ」と回答したのに対し、35歳から54歳では76%、55歳以上では57%にとどまっていた。

ニューヨークのエリック・アダムス市長(民主党)は7日、テキサス州のグレッグ・アボット知事(共和党)を非難し、何十人もの移民をバスでメキシコ国境からニューヨークまで強制的に送り込む彼の戦略が「想像を絶するものだ」と述べた。

バイデン大統領の移民政策に反発するアボット知事は、国境を超えて流入する移民たちをバスでニューヨークに送り込んでおり、CNNが報じたところによると、8日朝の時点で少なくとも68人の移民が到着した。

編集=上田裕資

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