ピサの斜塔が倒れないのはみんなが頑張ってるから ピサの斜塔着工|8月9日

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1173年8月9日、イタリアのトスカーナ州でピサの斜塔の建設が始まりました。もともと斜塔にする予定でつくられたわけではありません。ドゥオモ(大聖堂)の鐘楼として、独立したまっすぐな塔を建てるべく着工されました。

しかし、建設途中に地盤の沈下により塔が傾いていることが発覚。工事の中断や傾斜の修正を試みたことで、完成までに約200年もの年月がかかってしまいました。大聖堂、洗礼堂、ピサの斜塔こと鐘楼、カンポサント(納骨堂)が建つドゥオモ広場は、その景観の美しさから「奇跡の広場」とも呼ばれています。

塔が傾いてしまったのは、地盤がもともと弱かったことが原因です。加えて、土台の部分にかかる力が一定ではなかったことや塔の重さも一因ではないかとされています。特に南側の地盤が弱く、塔は目で見て明らかなほど傾いてしまいました。

とはいえ、ピサの斜塔は過去に何度も大きな地震にあったにもかかわらず、今なお倒壊せずに建っています。塔が倒れてしまわないよう、傾いている側とそうでない側で石の厚さを変えたり、最上階にある7つの鐘の重さを塔のバランスがとれるようすべて異なる重さにしたり、改修工事をしたりするなど、さまざな工夫が施されているのです。傾きへの影響を考慮して、鐘楼ではありますが鐘は鳴らされません。ピサの斜塔から聞こえる鐘の音はスピーカーから流されているのだそうです。

ちなみに、ピサの斜塔は、ガリレオ・ガリレイが2つの球の落下実験を行ったというエピソードでも有名ですが、この逸話は創作である可能性が高いといわれています。

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執筆協力=アステル

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