この環境では、成功は学習の速度や記憶力の高さ、適応の速度に結び付けられている。興味深い新たな科学的データからは、これらを全て改善する画期的な方法が示唆されている。
学びはレジリエンス(回復力)を高めるだけでなく、幸福度にも結び付けられている。新たなものを学ぶとき、人はより多くの喜びを体験することが多い。これは、学習により新たな視点にさらされ、より深い思考を活用し、自分の能力をあらためて思い出すことができ、希望を与えられることが理由である可能性が高い。
より多くのことを学ぶにはどうすればよいのだろう?
環境面の管理
学習方法に前向きな変化を与える主な方法の一つは、新たな情報を得ようとしている環境を管理することだ。それには次のような方法がある
1. 気が散る要因を減らす
まず、気が散る要因を能動的に減らすことができる。サイモンフレーザー大学の研究者らによる調査では、周囲に存在する気が散る要因を管理できた場合、人は読んだことや学んだことをよりうまく覚えることができた。
携帯電話の電源を切り、通知が鳴らないようにして、視覚的・音響的な邪魔が入らない静かな場所を探そう。こうしたステップを踏むことで処理の作業を深め、より深く取り組み、より多くのことを覚えておくことができるだろう。
2. 十分な睡眠を取る
それに加え、十分な睡眠を取るようにすること。研究からは、新たな情報を固定しそれを理解する上で睡眠が重要だということが繰り返し示されている。特にカリフォルニア大学の調査では、人は睡眠中に無関係な項目の間に関連性を構築していることが判明した。
創造性と問題解決は、似通っていないものを新たな方法でつなげ、新たな解決策に向けて点と点をつなぐことにより大きく促される。そのため睡眠は、項目や概念の間に関係性を見つける能力を身に付ける方法として機能する。
さらに、睡眠に関する研究からは、慣れていない困難な状況に適応する上で夢を見ることが重要であることが示唆されている。大半の夢は至って普通で記憶に残りにくいが、人は脅威や恐怖、危険を伴う夢は覚えていることが多い。
夢に関する仮説には、脳がこうした夢を使ってあなたを厳しい状況に備えさせ、レジリエンスを高めているという考え方がある。夢の中で怪物から逃げているとき、あなたは仕事の困難な状況で逃げ道を見つける準備をしているのだ。