東田:今後は、そういった動きも加速すると思います。そもそも、世界に出ることは日本の十八番ですよね。近代でも、トヨタもソニーも京セラも、海外で外貨を稼いで成長していきました。
自分たちのプロダクトやサービスを海外で販売し収益を上げ、その結果として豊かになるという流れは、日本が世界で初めて成し遂げたことだと思います。日本は本来、外国に出ることも苦手でなく、その過程で国内需要も大きくなり、国内のビジネスだけでも成り立ってしまうことにつながったとも言えます。
現在は円高が続いていた為替も円安になり、それ自体がいいか悪いかは別にしても、輸出しやすい環境は整っています。現在の円安を良い機会だと捉えることで、生活様式の輸出もさらに広がると思います。
もうひとつ、海外展開では“鈍感になること”も大事です。日本は当たり前のレベルが高く、全てのクオリティがダントツで高いので、普通のことでも海外では「すごいね」と思われます。ところが、海外その「すごいレベル」を維持しようとするのは難しいんです。するとギャップが生まれ、従業員が雇えない、育たないという問題が起こり、撤退するケースも出てきてしまいます。
しかし、総じて考えれば、悲観する必要は全くなく、海外に出るためにはよいタイミングが訪れていると言えます。
中道:いまはカルチャーやストーリーなどもセットで伝える必要が出てきて、品質だけの勝負だったかつてとはステージが変わってきたのも大きいですね。伝える作業が増えていることは、日本にとって大きなチャレンジであり、何とか乗り越えていきたいところです。NuZeeもアメリカでの基盤を固めた後は、日本でも動きがあるのでしょうか。
東田:当然、日本での展開も考えています。我々の顧客はコーヒーブランドが多く、彼らはアジア進出を考えています。日本ではどうすれば世界で展開できるかがポイントになるように、アメリカはどうすればアジアで展開できるかがポイントになります。
実際に、「Masa、うちの商品を日本で売ってくれないか」という話も多くあります。海外ブランドの日本展開などはコーディネートできるので、そういった展開もぜひやりたいですね。