経済・社会

2022.08.08 07:00

英国も0.5%利上げへ イングランド銀行が2022年中の景気後退を予測

松村敦
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Getty Images

英イングランド銀行(中央銀行)は4日、約30年ぶりとなる大幅な利上げを発表し、今年の最終四半期に英国が景気後退に陥ると予測した。インフレを抑制しようとすでに利上げを実施している欧州連合や米国の中央銀行に追随する動きだ。

主要な事実

・イングランド銀行は金利を0.5%引き上げ1.75%にした。27年ぶりの大幅な利上げだ。

・また、英国のインフレ率が6月の9.4%から年末までに13%に上昇する可能性があり、すでに深刻な生活費危機をさらに悪化させると警告している。

・この急激なインフレは、来年にかけて英国人の実質家計所得が「急激に減少する」ことを意味すると中央銀行は指摘した。

・イングランド銀行はインフレの原因として、ロシアによる欧州への天然ガス供給の調整と今後の供給削減の懸念から、2022年5月以降の天然ガス価格が「ほぼ2倍」になったことを挙げた。

・イングランド銀行のアンドリュー・ベイリー総裁は記者会見で、消費者物価の上昇率を年2%とする目標に取り組んでおり、「言い訳はなしだ」と述べた。

・しかしベイリー氏は、この約束が次回会合で金利がさらに0.5%引き上げられることを必ずしも保証するものではないことを示唆した。

英野党の大臣候補レイチェル・リーヴス氏は、イングランド銀行の厳しい数字は「保守党が経済のコントロールを失ったことを示す更なる証拠」だとツイートして与党保守党を批判した。同氏はさらに「家族や年金生活者が請求書の支払いをどうするか心配している中、保守党の首脳陣候補は人々がこの危機を乗り越えるのに何の手助けにもならない実行不可能な政策を発表して国内を回っている」と付け加えた。

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翻訳=溝口慈子

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