ビジネス

2022.08.07

決済大手Visa、ポルノサイトPornhubの親会社の広告部門との取引を停止

Getty Images

決済大手のVisaは、大手ポルノサイトPornhubの運営元のマインドギーク(MindGeek)の広告部門のトラフィック・ジャンキー(TrafficJunky)との取引を停止した。

この決定は、マインドギークを相手取って起こされた児童ポルノの訴訟の被告人から、Visaを除外する要請を裁判所が拒否したのを受けてのものだ。この訴訟は、当時13歳だった女性が、自身の露骨な動画をPornhub に掲載されたと訴えたもので、Visaは、同社を被告人から除外するよう求めていた。

マインドギークは複数のウェブサイトに動画を掲載し、トラフィックジャンキーはそれらの動画をマネタイズしていた。

Visaの会長兼CEOのアルフレッド・F・ケリー・ジュニアは8月4日の声明で、「裁判所の判決に基づき、トラフィックジャンキーのVISAへの受け入れを停止する」と述べた。

Visaは、同社を被告人から除外するよう求めた際に、同社が何十億もの個々の取引を調査する能力がないと主張していた。また、この訴訟の進行が許可されれば、決済業界全体が弱体化するとも述べていた。しかし、コーマック・カーニー連邦地裁判事は7月29日、Visaをこの訴訟から排除することを拒否し、彼らの主張を退けていた。

「Visaは、単純に犯罪容疑者が犯罪を実行するためのツールを提供しないよう求められているに過ぎない。これは決して困難な要求ではなく、金融業界に存亡の危機を告げるものでもない」と、判事は29日の判決文の中で述べていた。

2020年に掲載されたニューヨーク・タイムズ(NYT)の記事でPornhubの児童ポルノ事業の詳細が明かされた後、VisaとマスターカードはPornhubとの取引を停止し、その直後にPornhubはコンテンツの80%以上にあたる1000万本の動画をサイトから削除した。

しかし、訴えによると、その数カ月後にVisaは有料のプレミアム購読と他のマインドギークのサイトの広告に対するサービスを復活させたという。Visaは声明で、監視が困難なユーザー生成コンテンツを含むサイトへのサービスは復活させていないと反論している。

これに対し、マインドギークを相手取った訴訟の主任弁護士のマイケル・ボウは、「Visaの発表は遅きに失したもので、短すぎる。彼らは、多くのメディアの報道にもかかわらず、マインドギークのサイトで何が起こっているのかを知らなかったふりをしている」と述べた。

VisaのケリーCEOは8月4日の声明で、カーニー判事の先週の決定が「Visaが証拠を提示する前に行われたものだ」と述べ、今後の裁判が彼らにとって有利に進むことを期待していると述べた。

編集=上田裕資

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