ハワイの最大の魅力は「爽やかな風」
坂井さんはソニーを定年後、ハワイの実力者たちを巻き込んで前出のNPOハワイアロハライフ協会(設立時の名称は「ハワイシニアライフ協会」)を設立。ハワイと日本の架け橋として大きな影響を持つ団体に成長させ、現地の重鎮として、いまも現役で活躍を続けている。
ハワイアロハライフ協会は、現在約1000名の会員を抱え、現地のNPO法人としては唯一、日本在住の人たちとハワイ在住の人たち双方に会員を持つ組織となっている。
坂井さんが会長を務めるNPOハワイアロハライフ協会
そんな坂井さんに言わせると、ハワイの最大の魅力は、いつも吹いている「爽やかな風」なのだそうだ。39歳の時に初めて降り立ったホノルル空港で感じたハワイの風の心地良さは、いまでも忘れられないと言う。
そして、坂井さんがいつも口にしているのが「グローバル・ローカライゼーション」という言葉。坂井さんをハワイに結びつけたソニーの盛田会長が語っていた言葉だそうだが、「考えることはグローバルに、でも行動は歯を食いしばってでもローカライズに」という意味で、それをソニーハワイでの社長時代も、現在のNPO代表になってからも、忘れずに実践しているそうだ。
坂井さんに会うとわかるのだが、とにかく明るい。どんな局面でも「あはは」と冗談を言いながら、周囲を明るく沸かせて、巻き込んでいく。この人の周りには、いつも人が集っている感じがある。そして、そんな人のところには、爽やかな風が強運を運んでくるのだろう。そう思わせる、新一世の1人である。