「私がアマチュア・サッカー・チームでプレイしていたとき、一部の選手が、負けることが明らかな時に、不必要で汚いファールを繰り返すところを見てきました」とバルセロナ大学の心理学者で本論文の共著者、マシア・ブアデス・ロジャー(Macià Buades-Rotger)は言う。「さらに興味深いのは、そういう人たちが、ピッチの外では必ずしも短気な人ではなかったことです」
同氏の研究では、競争に負け続けることによって誘発される攻撃性を測定し、低い競争的地位(負けることが多いことによるランクの低さ)が高い攻撃性と相関していることを発見した。
「単刀直入に言って、平均的に敗者は勝者より攻撃性が強い」と同氏は言い切る。そしてそれは理にかなっている。ライバルが自分よりよい結果を出せば、相手を止めるためには攻撃的になるしかない。
ブアデス・ロジャーによると、こうした結果は理論的に妥当であるだけではなく、スポーツにおいて攻撃性を予防したり扱ったりする上でのヒントを与えているという。一連の結果は、汚いプレーで勝つ者の固定概念を崩すものでもある。