しかし、ネットフリックスにはさらに大きな魅力がある。同社は、買収の対象として魅力的なのだ。ストリーミング配信の競合相手はすべて、より大きく、より多角的な企業の一部だ。彼らの目には、積み重なったコンテンツの追加が魅力的に映るかもしれない。
ネットフリックスの買収に名乗りを上げそうなのは、どこだろうか? まずは、マイクロソフトが話題になっている。ディズニーやアップルには独自のストリーミングサービスがあり、これらがネットフリックスを買収した場合、独占禁止法上のリスクが生じる可能性があるが、マイクロソフトにはこの分野での存在感がない。しかも、手元には山のような現金がある。そして、マイクロソフトは買収慣れしている。今も、ゲームメーカーのアクティビジョン・ブリザードを買収しようとしているところだ。
ソニーの可能性もある。ソニーはすでにネットフリックスと契約し、映画のストリーミング配信を行っている。ソニーは、米国の外に小さなストリーミング部門を持っており、米国での知名度を利用する可能性がある。
ネットフリックスの共同創設者でもあるリード・ヘイスティングス最高経営責任者(CEO)が買収に前向きかどうかは、また別の問題だ。誰もこの話題には触れない。ヘイスティングス自身は、ネットフリックス株を520万株保有しており、買収で利益を得ることができる。ネットフリックスはかつて、買収者を追い払うためのポイズンピル(買収防止策)を持っていたが、それは期限切れとなっている。
ネットフリックスはいずれ買収されると考える人であれ、自力でリバウンドできると考える人であれ、同社株はいずれにしろ「買い」のようだ。