しかし、ミレニアル世代とZ世代にとって、趣味は単なる仕事の合間の息抜きではなく、ワーク・ライフ・バランスの統合をキャリア全体の追求の一部としてとらえる考え方の重要な要素となっている。健全なキャリアの選択肢を探すミレニアル世代に関するForbesの記事によると、調査対象の80%が、ワーク・ライフ・バランスを仕事を受ける際の強い判断材料と考えている。
不確実性がバランスの取れた考え方の必要性を形成する上で一役買っている。ミレニアル世代とZ世代は、人生の異なる時期に失業を経験し、そのことがキャリア観に影響を与えているのだ。ミレニアル世代は2008年の不況時に職を失い、Z世代にとってはパンデミックによる景気後退を経験している。
失業の経験は個人の心理的構成に強く影響する力学だ。さらに、学生時代の借金と予測不可能な経済的未来によって、両世代は考え方を修正し、さまざまな表現手段を模索することによって、個人にとって何が重要かを検討するようになった。
バランスの取れた充実した生活を追求するという単純なニーズ以外に、表現は様々な人生の追求への興味につながる。以前とは異なり、趣味は、もはやキャリアにとって副次的なものと考えられなくなった。若い世代では、趣味と仕事の境界線が曖昧になりつつある。その代わり、多くの若者にとって「キャリア」とは、セルフブランディングやソーシャルメディアへの参加と並行し、ビジネスベンチャーにおいて経済的・創造的に交差する追求の組み合わせを意味するようになっている。
作家、アーティスト、講演者、起業家、インフルエンサーであるRosalind Panda(ロザリンド・パンダ)氏は、キャリアに対するこの多面的なアプローチをするこの世代の代表的存在だ。彼女は、Rosalind IT ServicesのCEO、Rosalind Artsの創設者、Rosalind Constructionsのディレクター、そしてROVA Tokenの共同創設者でもある。若い起業家にとっては大きな挑戦だが、創造性を共通項として複数の興味を新しいビジネスのレベルまで持っていった例だ。