脱プラスチックや再生可能エネルギー、ジェンダー平等など、さまざまなイメージがあると思う。
SDGsへの取り組みが進む中で、最近少し違和感を覚えるところがあるため、SDGsで軽視されがちだと感じることをまとめていく。
SDGsウェディングケーキモデルとは
出典:Stockholm Resilience Center
私の意見を書く前に、まずはみなさんに覚えていただきたい図を紹介する。
この図は「SDGsウェディングケーキモデル」と言い、ストックホルムにあるレジリエンス研究所の所長が考案した「SDGsの概念」を表す構造モデルだ。
SDGsの17の目標が「経済」「社会」「生物圏」の3つの階層に分けられており、ざっくりまとめると、経済は社会がなければなりたたず、社会は生物圏がなければ成り立たないということを示している。
大切なのは「貧困をなくす」こと
「経済」と「社会」が「生物圏」なしでは成り立たないのであれば、優先的に環境問題に取り組むべきだと考える人もいるだろう。
しかし、私はSDGs第一の目標「貧困をなくそう」が特に大切であり、軽視されがちだと感じている。
もちろん環境問題への取り組みは今まで通り続けていく必要はあるが、国内外の貧困を解決しない限り、社会は変わらない。多くの人々が目の前のことで精一杯で、遠く離れた地にいる人のことや未来のことを考える余裕などないのだ。
世界の貧困の現実
出典:unicef
世界では、6人に1人の子どもたちが極貧状態で生活している。
1日あたり1.90米ドル以下で暮らしている人は7億960万人、そのうち約半数が子どもで、3億5600万人にのぼる。
先進国でも収入格差が問題視されており、相対的な貧困(その国の所得の中央値の60%を下回っている世帯)と呼ばれる状況のもとで、平均して5人に1人(日本は6人に1人)の子どもたちが苦しい生活を強いられているのだ。
バランスよく進めることが必要
環境にやさしいものは製造工程にこだわっており、少量生産であるため、基本的には価格が高くなる。
また、気候変動の対策として無理に再生可能エネルギーを普及させ、電気代が上がると、貧困家庭の生活はさらに苦しくなってしまう。
「貧困をなくす」ことと「環境負荷を減らす」ことを両立するのは非常に難しく、バランスよく進めなければならない。