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2022.08.04 06:00

米国でストリーミングがケーブルTVのシェア突破へ、年内にも

Photo by Anastassiya Bezhekeneva / Getty Images

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ニールセンが毎月、動画プラットフォームの視聴シェアを測定しているGaugeレポートでは、ケーブルテレビからストリーミングビデオへの視聴者のシフトが続いていることが示されている。2021年6月当時、ケーブルテレビは全映像視聴の40.1%を占めていたが、1年後には5ポイント下がり、35.1%になっていた。

逆に2022年6月には、ストリーミングビデオの視聴シェアが初めて3分の1(33.7%)を超え、わずか1年前の27.4%から大きく上昇した。このペースでストリーミングの伸びが続けば、年内にケーブルテレビのシェアを突破することになる。一方でテレビ放送の視聴率は6月に22.4%となり、過去12カ月で最低を記録した。

コンテンツが増え、加入者が増えたことで、ストリーミングビデオの視聴時間は伸び続けている。ニールセンの報告によると、6月のストリーミングビデオの利用時間は前年比23.5%増を記録した。一方、6月のテレビ放送で数少ない明るい話題はスポーツ中継で、NBAファイナルとスタンレーカップファイナルがともにABCで放送され、44%の増加を記録した。

6月のGaugeレポートでは、ネットフリックス、アマゾンのPrime Video、Disney+、ユーチューブ(YouTube TVを含む)がいずれも過去最高の視聴者シェアを記録した。ネットフリックスは、最近苦戦しているものの、視聴者シェアは7.7%で、5月から1ポイント近く(6.8%)上昇した。6月のネットフリックスの視聴分数は、「ストレンジャー・シングス」の第4シーズンの人気によって5月から16.3%増加した。

Gauge レポートの開始以来、ネットフリックスは毎月最も視聴されたストリーミングビデオプロバイダーとなっており、同社のCEOのリード・ヘイスティングスは第2四半期の決算発表で、「リニアTVの時代は今後の5年から10年で間違いなく終わる」と述べていた。

スポーツ中継もストリーミングに移行


リニアテレビの視聴シェアを維持しているジャンルは、スポーツの一択だ。2021年に最も視聴されたテレビ番組100のうち、スポーツは95を占めていた。それでも、ストリーミングビデオでは主要なスポーツイベントのライブ中継が普及しつつあり、視聴者シェアを強化している。

アマゾンのPrime Videoは、9月からNFLのThursday Night Footballの独占配信を開始する予定で、NFLも7月に待望のNFL+を開始し、プレシーズンゲームとローカルおよび全国放送の全試合を月額4.99ドルでモバイル端末にストリーミング配信している。

Apple TV+も最近、メジャーリーグサッカー(MLS)と契約を結び、全試合をストリーミング配信する計画だ。また、PeacockとApple TV+は今シーズン、一部のMLBゲームのストリーミングを開始した。そのほか、ほぼすべてのプレミアスポーツのライブ中継が、リニアテレビとストリーミングの両方で視聴できるようになり、NFLコミッショナーのRoger Goodellは、「NFLのメディア権利はストリーミングに移行していくと思う」と述べた。

メディアのオーナーがケーブルよりもストリーミングに力を入れていることからも、ストリーミングの視聴者シェアの伸びが続くことは明らかだ。

編集=上田裕資

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