ビジネス

2022.08.03

「CO2見える化」で好調のブーストテクノロジーズ 外資参入の激戦をどう攻めるか

代表取締役の青井宏憲(撮影=藤井さおり)


「社会にたくさんの雇用やインパクトを残せる起業家になりたい。戦後何もないところから事業を立ち上げていた事業家に憧れていましたし、かっこいい大人になりたかった。ただ、大学卒業時点で事業を決めることができず経営コンサルティング会社に就職したんです」

代表取締役の青井宏憲

各企業の経営陣をコンサルティングで相手にしつつ、マーケティングデータを調べ、伸びそうな業界を探っていた。そこで見つけたテーマが「脱炭素」だった。2010年当時、まだ今ほど「脱炭素」関連のキーワードが盛り上がっていなかった頃だ。

「カーボンニュートラルや蓄電池、省エネ対策など、政府が中長期の投資計画を示していました。起業する目標は30歳。投資額が増大していくタイミングと、独立して事業を拡大させるタイミングがちょうど合う。これだ! と思いました」

トップ100社を狙う


今後は、現在の60名体制を2倍にし、特に「プロダクトの強化」を進めていく。

「目標は直近、『プライム市場の基準に則って気候関連情報の開示ができているトップ企業100社』にプロダクトが採用されることをめざしています。ここが私たちにとっての『オセロの四隅』として重要視しています」

今後は、「経済合理性だけ」で安価な方法を選択するバリューチェーンの組み方が許されなくなる。例えば「鹿児島産の枝豆」と「東京産の枝豆」では、前者のほうが安いとしても、東京まで運ばれる際のガソリンや電力の消費時に排出されるCO2量が多くなり、その数値が開示されてしまうからだ。

ブーストテクノロジーズは、CO2削減案を提示するコンサル業務も担う。経済合理性と環境への影響、その最適解を示すことも求められていくだろう。

文=山岸裕一 編集=露原直人 撮影=藤井さおり

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