この訴訟は、2014年に13歳だった女性が起こしたもので、彼女の当時のボーイフレンドが彼女の同意なしにビデオを撮影し、ポルノサイトに投稿を行ったとされる。マインドギークは、その動画を複数のサイトに配信し、広告収入を得ていた。
Visaはそれらのサイトの広告主とマインドギーク間の支払いを処理していた。女性は、Visaとその関連会社がコンテンツの違法性を認識しつつ、取引を続けたと主張している。
Visaは、この裁判の被告から同社を除外するよう求めたが、裁判所はこの訴訟の中心は、違法ビデオのマネタイズにあると主張していた。
コーマック・カーニー連邦地裁判事は29日、Pornhubやその他のマインドギーク傘下のポルノサイトが児童ポルノを配信していることを知りながら、Visaが同社との関係を断とうとしなかったと非難した。判事は、「原告が受けた精神的外傷は、マインドギークによる彼女のビデオの収益化に直接起因する」と述べ、Visaの責任を問う姿勢を明確にした。
Visaはこの訴訟で、同社にはマインドギークのサイトのコンテンツに介入する権限が無かったと主張したが、判事は、同社が過去にマインドギークの運営に介入したという事実を根拠に、彼らの申し出を拒絶した。
2020年に掲載されたニューヨーク・タイムズ(NYT)の記事でPornhubの児童ポルノ事業の詳細が明かされた後、VisaとマスターカードはPornhubとの取引を停止し、その直後にPornhubはコンテンツの80%以上にあたる1000万本の動画をサイトから削除した。
しかし、訴えによると、その数カ月後にVisaは有料のプレミアム購読と他のマインドギークのサイトの広告に対するサービスを復活させたという。カーニー判事は、「Visaは少なくとも一度は、マインドギークに異なる運営を強いていた」と述べ、Visaを訴訟から排除することを拒絶した。
「当社は、性的搾取や児童の性的虐待が、企業としての価値観に反するものとして非難している」と、Visaの広報担当者はフォーブスに宛てた声明で述べている。「今回の裁判所の判断は残念なもので、当社の役割とポリシーを誤解している。当社は引き続き、Visaがこの事件における被告ではないと信じている」と、担当者は主張した。