「まず自分から」リーダーが従業員のメンタルヘルスをケアし仕事環境を整える方法

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新型コロナの大流行ほど、従業員のメンタルヘルスがビジネスリーダーの注目を集めたものはない。作家のナズ・ベヘシュティは、このパンデミックによってメンタルヘルスの意識が高まったことを「明るい兆し」と表現している。

「このスティグマの減少によって、一般的に、人々がメンタルヘルスについてよりオープンになりやすくなったという証拠があります。NAMI(全米精神疾患同盟)の2021年の調査によると、回答者の52%が、パンデミックが始まって以来、自分のメンタルヘルスについて他の人にオープンにするようになったと答えています」とベヘシュティは述べている。

より多くの従業員がメンタルヘルスとその仕事への影響に関する経験を共有するにつれ、リーダーからのアクションの要求も同時に高まっている。リーダーは、ただ座って従業員の話を聞いているわけにはいかない。行動を起こすことが必要だ。リーダーにとって、これは個人のメンタルヘルスに焦点を当て、従業員にとって心理的に安全で包括的な職場を構築することを意味する。

まずは自分自身から


何千人もの社員がより良いワークライフバランスを求めて仕事を辞める最近の「大辞職時代」に、「燃え尽き症候群」が流行語になった。しかし、リーダーも同じように過労のリスクにさらされていることを忘れてはならない。

Development Dimensions Internationalの2021 Global Leadership Forecastによると、60%のリーダーが1日の終わりには消耗したと感じているそうだ。さらに、そのうちの26%のリーダーは、1年以内に会社を辞めることを予測していることが明らかになった。自分自身のメンタルヘルスに気を配れないリーダーは、チーム全体のメンタルヘルスを低下させる危険性がある。

「経営者が従業員のメンタルヘルスを優先させたいのであれば、経営者も同じことを目に見えるかたちで行う必要があります」と、15Fiveのコミュニティ担当SVPであるアダム・ウェーバーは述べる。「セラピーやメンタルヘルスデイのために休暇を取ることを奨励するのは1つの方法ですが、ほとんどのリーダーはまだ、透明性のある方法でそれを自分で行うという次のステップに進んでいません」

メンタルヘルスの向上を目指すリーダーにとって、セルフケアの模範となることはすばらしい解決策だ。公認エグゼクティブ・コーチのエリン・アーバンは、リーダーが昼休みに散歩をしたり、仕事で達成したことを十分に祝う時間を取ることを提案している。また、呼吸を整え、マインドフルネスを実践する時間を持つことも勧めている。
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翻訳=上西 雄太

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