従来のスポーツビジネス、例えば売上や認知度・好意度を伸ばす目的でのスポンサーシップ、オーナーシップに選手の移籍交渉やサポートを専門的に担う、TVドラマでも話題となったアスリートマネジメント、イベント興行や放映権ビジネスといった枠に収まらない、ユニークで新しいモデルを確立しようとしているようだ。
前編に続き、楽天のグローバルスポーツ事業ヴァイスプレジデント、ラフール・カダバコル氏に話を聞いた。
>> 前編:堀米雄斗も町田瑠唯も 契約続々、楽天のグローバルスポーツビジネス
──Rakuten Sportsでは、これまでのスポーツマーケティング企業、マネジメント会社とは違ったアプローチでスポーツビジネスに挑んでいるようです。何をどのように実現しようとしているのか、目指しているところを聞かせてください。
まさに既存のスポーツビジネスとは異なる我々のチャレンジ、提供していく価値のことを「どういった言葉で表現して伝えればよいだろう?」と思案しているところなのですが......(笑)
我々にとって大事なスポーツを扱う、グローバルスポーツビジネスの領域におけるリーディングカンパニーになりたいと考えています。それも、従来型のエージェンシーとしてではなくて、全く新しいユニークな立ち位置を目指しているんです。
テクノロジーを駆使して、コンテンツ、コマース、そしてコミュニティの点と点を結ぶことで、ファン、スポーツ業界を「エンパワーメント」することをミッションに掲げています。もちろんビジネスですので利益、数字は重要ですが、全てのステークホルダーにとっての「新たなバリュー」「本物の価値」を、「楽天のエコシステムを使って」生み出すことを第一の目的としています。
また、若手あるいは未だスポットライトが当たっていないような選手やチーム、リーグをエンパワーメントすることも、大切なミッションの一環として注力しています。
8月には、大学バスケットボールの国際試合「World University Basketball Series(WUBS)」を、JUBF(一般財団法人全日本大学バスケットボール連盟)と一緒に、東京の国立代々木競技場・第二体育館で開催しました。
本大会はJUBF主催、Rakuten Sportsが運営協力という体制で年に一度、各国の大学トップレベルのチーム、選手たちに国際舞台でスキルを披露する場を提供するもので、第1回となる今年は招待制で、インドネシア、チャイニーズタイペイ、日本、フィリピンの4大学が参加、サン・クロレラがタイトルパートナーとして協賛してくれました。
我々が大いにサポートできる分野だと考えており、来年以降、参加チーム数も増やして、各国の才能ある選手とバスケコミュニティをエンパワーメントしていきます。