「視覚障がい者と健常者が当たり前に混ざり合う社会」の実現というビジョンのもと多くの事業を展開しているが、観戦チケットの有料化など「何かをやるごとに『絶対うまくいかない』と言われました」と専務理事兼事務局長の松崎英吾氏が明かすように、ここまでの道のりは平坦ではなかったはずだ。
なかなか理解されない中で、どのように仲間を増やし、一つ一つの事業を推進してきたのか。松崎氏に聞いた。
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──新リーグ「LIGA.i(リーガアイ)」開幕、おめでとうございます。松崎さんをはじめ、協会の皆さんの長年の取り組みにより、日本代表の試合に多くのサポーターが駆けつけるようになりました。なぜ今、さらに勝負に出て、リーグを立ち上げたのでしょうか?
確かに代表試合には、多くのお客様に足を運んでいただけるようになりましたが、国際大会はそう簡単に招致できません。代表に頼らずに、しっかり観て頂ける機会を育てていきたい。それが1つ目の理由です。
2つ目は、日本代表の強化のためです。東京パラリンピックに念願の初出場を果たし、5位に入賞できましたが、今後さらなる進化を目指したい。トップアスリートからグラスルーツで楽しみたい人まで共にプレイする地域リーグや日本選手権といった、“これまでの大会環境を保ちながら”、代表選手たちがより一層高い強度で競い合う場を新たに提供したいと考えました。
リーグタイトルの「i」には、intensity(競技性)、influence(興行性)、integrity(組織性)を向上させてブラインドサッカーの価値を高める、という思いが込められています。
参加クラブにも、競技力の高さのみならず、組織運営力や競技普及活動への注力などを求めています。
──「LIGA.i」でも、チケットを有料にしましたね。
日本代表のチケット販売が伸びてきた背景があり、それをトップリーグにもつなげたいと考えています。ただ、一番高い席でも大人1枚2000円といった価格設定で、観客数の目標も1400人なので、収益性を大きく変える規模感ではないんですね。
リーグ戦を成り立たせて行くためにも引き続き、スポンサー企業や自治体との連携に力を入れていきます。