この店には、30年来の知人と訪れるそう。「お互いの悩み事や嬉しい事を話しながら、この食堂で『心のデトックス』をしているかも知れません」
「心」と「食」と「縁」は、切っても切り離せないと梶原社長。出前の伸びきったラーメンを、ある日お店で食べた時、伸びた出前のラーメンの方が何故か美味しいと感じた幼少期。又、風呂無し・トイレ無しのアパートに住んでいた大学時代。気のいい学食のおばちゃんが、お金のなさそうな学生に、内緒で余った天ぷらをうどんに乗せてくれて、それはそれは美味しかった事。
「おばちゃんの笑顔と天ぷらで、一日頑張れたものです」。そして、起業後の26歳。自由が丘カフェバー「Espiga」に偶然入りそこで食べたクロックムッシュから、Espigaのオーナーと知り合いになった。その後、生涯の付き合いが始まり、ビジネスでも仲間となり、今ではお互いの夫婦で旅行に行くほどの親友になった。
「私の会社で経営している『ブラウンライス』は、固定種、オーガニック、無農薬、玄米、野菜、ヴィーガンというポリシーの和食にこだわり、20年間メニューを変えていません。心のデトックスとして通う、家族経営の『赤坂 一龍別館』も私が知る限り、ここ10年間ずっと定食セットを変えていません。レストランの語源は『restore』。つまり古いものを新たにする意味で、疲れた心や身体を元気に復元する意味も持つと聞いた事があります。
ビジネスの世界でも『変わる事』と『変わらぬ英断』が求められるシーンが多々ありますが、デジタル時代の現在、アナログで普遍的な料理の提供をしている場所は、私の手本そのもの。プレゼンテーションの凄さや希少な具材も大切ですが、『自分らしい場所を見つける』と、何が起こっても頑張れる気がします！」
赤坂 一龍別館
港区赤坂2-13-17 シントミ赤坂第二ビル1階
03-3582-7008
