テクノロジー

2022.08.01 16:00

NASAが2027年に火星でヘリを飛ばす新計画発表 約7兆円のミッションが方針転換

安井克至

Getty Images

NASA(米航空宇宙局)は、岩石サンプル採集のための地球から火星への歴史的往復旅行計画の一環として火星にヘリコプター2機を(新たな探査ローバーではなく)送り込む。火星着地からの17カ月間に、ローバーのPerserverance(パーサヴィアランス)は極めて科学的価値の高い岩石コアサンプル11個、および気体サンプル1個を採集した。

サンプルが地球に届いたあかつきには、科学者が火星の環境の進化や先史時代の化学、生物学を理解するために不可欠な地質記録を確立するのに役立つだろう。

つまり、古代生命の痕跡を発見できるかもしれないということだ。

NASAは、29回のテスト飛行を終えた小さなヘリコプター、Ingenuity(インジェニュイティ)の驚くべき成功に支えられ、2027年に待望のMars Sample Return(MSR)ミッションをスタートすると発表した。2033年までに異星の岩石サンプルを初めて持ち帰る計画だ。

NASAは、地球帰還オービター(Earth Return Orbiter、ERO)を2027年秋に、サンプル回収ランダー(Sample Retrieval Lander)を2028年夏に打ち上げ、集めたサンプルを2033年に地球に持ち帰る計画であることを明らかにした。

新たなミッションアーキテクチャは、いくつかの興味深い設計変更を明らかにしている。



このサンプル回収ランダープラットフォームは、「サンプル回収ヘリコプター」2機を搭載し、パーサヴィアランスが組み立て作業で忙しい間に、サンプル回収を手助けする予定だ。

その頃にはパーサヴィアランスは火星表面に10年近く滞在していることになる。元の計画では、まったく新しいローパーを送る予定だった。
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翻訳=高橋信夫

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