60年代に電池式卓上計算機、いわゆる電卓が販売されたあと急速な技術革新が進み、電卓の価格は急激に下がりました。しかし、電卓は72年当時でも約3万円と、個人が導入するにはまだまだ厳しい価格帯でした。
そんな時代に発表されたカシオミニの当初の価格は1万2800円。当時の市場価格の3分の1という常識破りの価格でした。
低価格化のため、従来の電卓と比べて扱える数字は8桁から6桁に減りましたが、カシオミニは加減算や乗算、除算など必要十分な7種類の計算ができ、コードがなくポケットに入れて持ち運べるミニサイズな点も魅力でした。
そして発売から10カ月で100万台を突破するという大ヒットを記録します。カシオミニが電卓の価格を下げたことで、電卓市場の価格低下が進み、シャープを除くほとんどのライバル企業が倒産や、電卓市場から撤退しました。
実は現在誰しもが持っているスマホのルーツは電卓にあるといいます。1万2800円のカシオミニの発売から50年がたった現在、格安スマホは1万円以下でも買える時代へと突入しています。
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