無料ランチが従業員をオフィスに戻す「力」になる

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オフィス勤務に戻る人が増える中、会社はいかにして新入社員を惹きつけ、現社員を引き留められるか、戦略的に考えようとしている。ケータリング会社ezCater(イージーケーター)が全国のあらゆる職場の1000人を対象に行った新しい調査によると、フリーランチが従業員にとって最も重要な特典の1つであることがわかったのだ。

ezCaterの共同設立者兼CEOであるステファニア・マレットは、職場におけるランチの価値について聞かれ、「従業員の定着に繋がります。ランチはもはや期待されるものなり、確実に感謝されています。生産性の面でもメリットがあります。また、職場でいっしょに食事をすることで、多くの創造性やアイデアが共有され、雇用者にとっても有益なものとなります。私たちはみんな、互いのつながりを取り戻そうとしているのです。多くのオフィスではまだ、社員が毎日出社する必要のないリモートハイブリッド構造になっていますが、社員がいっしょにいると、リモートワークでは得られない創造性や相互影響が生まれるのです。職場に戻るのも楽になります」と語る。

オフィスへ通勤している人のうち、65%の人が、無料のランチが提供されるなら、オフィス内で仕事をするつもりだと答えている。また、20%の社員が、無料のケータリングランチがあれば、週に3〜4日オフィスに通う予定だと答え、ほぼ4人に1人(23%)が、無料のケータリングランチがあれば、フルタイムでオフィスに戻ると答えている。また20%の社員が、交通費補助、ジム補助、ハッピーアワーなどの他の特典よりも、フリーランチの重要性を高く評価している。

フリーランチが魅力的な理由


調査参加者が、フリーランチがオフィスに来る動機づけになると答えた主な理由の1つは「コスト」だ。80%の人が少なくとも週に1回、43%の人が週に3回以上ランチを買っている。その平均コストは11ドル(約1460円)で、Z世代(68%)とミレニアル世代(59%)の大半は少なくともその金額を使っており、ブーマー世代(73%)はランチに10ドル(約1327円)未満しか使っていないことがわかった。また、調査対象のほぼ半数(46%)が、勤務中の出費を抑えられることがフリーランチの一番の魅力であることに同意している。

2022年には、家庭外で購入する食費がさらに上昇することが予想されており、今後も貴重な特典となりそうだ。

ランチ無料化は会社と従業員にどのような利益をもたらすか


従業員の定着だけでなく、フリーランチは仕事のパフォーマンスや従業員の福利厚生を高めることで、会社側にもメリットがある。従業員の燃え尽き症候群を軽減することは、組織の利益となる。
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翻訳=Akihito Mizukoshi

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