ビジネス

2022.07.30

自社の期待値を計画的に下げ、株価を復活させたネットフリックス

Photo by Mario Tama/Getty Images


強気の投資家はしばしば、ネットフリックスをテクノロジー企業の代表例として扱う。ストリーミングメディアの巨人である同社が決算を発表するのは、決算シーズンの始まりに近い時期だ。さらに同社は、知名度の高い大企業でもある。この組み合わせにより、ネットフリックスがそうならば、他のハイテク企業もそうなる、と考えたくなるのはわかる。しかし、それは危険なことだ。

ネットフリックスの経営幹部は、前四半期にリセットの時期を迎えた。サランドスは、期待値を引き下げる大きなチャンスと見て、それを実行に移した。株価は急落した。今四半期、他のハイテク企業にも同様の時期が訪れると考える理由はあるが、それは美しい物語にはならないかもしれない。

売却益を追いかける投資家たちは、十分注意する必要がある。特に、多くの小規模な「サービスとしてのソフトウェア(SaaS)」型企業には注意が必要だ。これらの銘柄の中には、高値から50~70%も下落しているものがある。

誰も認めたくはないだろうが、中小企業にとって株価の低迷は、資金調達や従業員の確保、そして最も重要な大企業からの新規ビジネス獲得を、より困難にする要因となる。フォーチュン100社の最高情報責任者(CIO)たちは、将来的に倒産したり、買収されたりする可能性のある中小企業に自社のビジネスを結びつけることに警戒感を抱いている。

つまり、ネットフリックス株は最終的に現在の水準から大きく上昇するかもしれないが、その明るい見通しを他のハイテク企業に当てはめることに関しては、投資家は注意する必要がある。

経営陣が控え目に約束したことが、そのまま現実になるかもしれないのだ。

翻訳=ガリレオ

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