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2022.07.31 10:00

400人の組織の目線を揃えるために実践する、最短手段とは|BABY JOB

BABYJOB 代表取締役社長、上野公嗣(提供:DIMENSION NOTE)


すべての人が子育てを楽しいと思える社会


──御社の今後の展望は。
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私たちのビジョンは「すべての人が子育てを楽しいと思える社会」なのですが、本来、子育てって楽しいもののはずなんです。しかしながら、今の保護者の方々で子育てに悩んでいる人の割合は非常に多く、NHKの調査では9割の人が「つらい」など育児にマイナスの感情を抱いたことがあるというデータがあるくらいです。

ではどんなことに悩んでいるかというと、多くの場合が子どもの発達、家族との関係、あとは幼稚園や保育所選びといったことが挙げられます。

核家族化が進む中で相談する相手もおらず、ネット検索しては不安を募らせる。そんな行動に疲れている方がすごく多いのです。
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元来、人類は地域で子育てをしてきました。家族や親戚、近所の人たちと助け合いながら子どもを育ててきたのです。しかし、それがこの数十年の間に「ワンオペ」と呼ばれるような形に変わってしまった。1家族だけで子育てをするというのはそもそもが非常に難しいことなのです。これを支え、「子育てが楽しい」と実感が湧くような社会を作っていきたい。



今の保護者を見ているとタスクに追われるばかりで、子どもとちゃんと向き合う時間が本当にありません。でもだからといって「もう一度地域で子育てを」と言っても、なかなか難しいのが現実でしょう。私はこれを解決できるのは全国に40000カ所ある「保育所」だと思っています。

保育所が子育てを理解し、保護者に寄り添っていってあげることで、もっと「子育てを楽しく」できる。日本全体を変えることができると思っているんです。

ただし、今の保育所が保護者に対して子育てを支援できるかというと、保育所の中での「子育て支援」という言葉はどうしても困窮度の高い方々に対して専門機関を紹介する、という文脈で用いられています。

もちろんそれも必要不可欠ですが、もっとたくさんの子育てに悩んでいる人たちの課題を解決する機能を保育所が持つことができれば、日本全体の「子育ては楽しく」なる。

「手ぶら登園」もそうですが、まだまだ保育所と保護者の関係性の中には課題がたくさんあります。例えば行政が出しているPDFの園リストではなくて、保育所の提供しているサービスや教育情報をオープンにすることで保育所に入るハードルを下げること。保育所を中心とした子育てコミュニティを作り、保育所が子育ての伴走者になること。

これらが日本の子育てを変えていく最も効果的な手段なのではないかと思っています。

──「手ぶら登園」以外のサービスも提供していくのですね。

今後の事業展開としては、まずは保育所に入るハードルを下げるプロダクトをどんどん展開していきます。最近では、保育園・幼稚園探しを便利にする「えんさがそっ♪」を22年6月からリリースしました。

また、保育所に保護者の生活を理解してもらう教育コンテンツも提供していきます。保育所って子育てのプロではあるけれども、保護者のことはよく知らないんですよね。

今の保護者の生活、悩んでいること。それにどうアプローチしたら解決できるか。こういった教育コンテンツを提供していくことで「子育てを楽しく」していく世界を実現したいと思っています。

文=伊藤紀行 提供元=DIMENSION NOTE by DIMENSION, Inc. 編集=露原直人

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