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2022.07.31

400人の組織の目線を揃えるために実践する、最短手段とは|BABY JOB

BABYJOB 代表取締役社長、上野公嗣(提供:DIMENSION NOTE)

「すべての人が子育てを楽しいと思える社会」をビジョンに掲げ、日本初(2019年BABY JOB調べ)の保育施設向け紙おむつの使い放題サブスク『手ぶら登園』を展開するBABY JOB。

2020年6月に356だった導入施設数は、2021年に973、さらに今年6月には2000カ所を超え、新しい市場をリーディングカンパニーとして開拓し続けている。そんな同社の代表取締役社長、上野公嗣(うえのこうじ)氏に起業家として重要な素養、事業成長の秘訣などについてDIMENSIONビジネスプロデューサーの伊藤紀行が聞いた。(全4話中4話)

第1話:派遣事業で始まったBABYJOBが、日本初「おむつサブスク」を誕生させるまで
第2話:2年で導入数6倍 「おむつサブスク」はどう成長したのか|BABY JOB
第3話:重要なのは正しさではない 共感を生むPRメッセージの作り方|BABY JOB


「社員全員と1on1」でベクトルを揃える


──いまではグループで400名弱が在籍されていますが、組織づくりで意識されているポイントは。

毎年人が増えていく中で組織スタイルは変わり続けてきました。直近すごく組織力がついてきたと感じているのですが、それは社員一人一人が同じ方向に向かって、最大のパフォーマンスを発揮してくれている状態になってきているからです。なぜそれができているかというと、一つは「ビジョン」。

「すべての人が子育てを楽しいと思える社会」というビジョンに対して、会社のやっていることが伴っている。これは働くうえで重要なことです。

加えて「社会からの評価」。会社がやっていることに対して、メディアも含めて社会が賛同してくれている。これは組織力をものすごく高めてくれる要因です。

先ほどお話ししたタレントを起用したプロモーションも、実は社内プロモーションとして非常に効果を発揮しています。組織のモチベーションは高まりましたし、採用も応募していただける人の質と量が格段に向上しました。ビジョンに沿って会社が運営されていて、その活動が社会から賛同されている状態。こういう組織は自然と伸びていくんだと感じています。

──その一方で、組織が急拡大するなかで問題も起きてくるのでは。

役割分担が明確になったり複雑化したりしたことで、価値観のすり合わせや個人間の意識のずれが起きた時期が1年前くらいにありました。乗り越えた方法としては、私がBABY JOBの「社員全員と1on1」をやっていることです。

役員は毎月、課長以上は四半期に1回、一般社員は半期に1回。1on1では今一番自分が取り組んでいる仕事、プライオリティの一番高いKPI、それをやるうえでの課題、を聞いています。

加えてwill/can/must、会社を通して何を実現したいか、私が求めていること、それを実現するためにつけたい能力について対話しています。

このフォーマットで社員全員と1人ずつ1on1をやっていますが、これが今の人数で組織全員のベクトルをチューニングする最短の手段だと思ってやっています。もう少し管理職の人たちが同じような1on1を展開できるようになるまでは、経営者である私の最優先課題として続けていこうと思っています。
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文=伊藤紀行 提供元=DIMENSION NOTE by DIMENSION, Inc. 編集=露原直人

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