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2022.07.30 10:00

重要なのは正しさではない 共感を生むPRメッセージの作り方|BABY JOB

BABYJOB 代表取締役社長、上野公嗣(提供:DIMENSION NOTE)


時流を読み、メッセージを打ち出す


──PR活動も非常に積極的です。スタートアップのPRでのポイントは。
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やはり世の中に無いプロダクトを展開するスタートアップの場合、認知拡大がPR活動において一番重要な部分です。特に我々の場合、保護者には比較的リーチしやすいのですが、社会福祉法人や宗教法人が主に運営している保育所さんにリーチするのは普通のアプローチ方法では難しい。業界雑誌に出たりはするものの、まだまだ認知が低いのが現状です。

なので、保護者だけでなく保育所の認知度、アポ獲得率を改善することを目指し、タレントの辻希美さんをアンバサダーに起用するPRも開始しました。

内容に関しては基本的にはPR担当のメンバーが中心となって推進してくれていますが、私がこだわったのはメッセージの部分です。最初に広告代理店さんから来たメッセージ案は「子育てが楽になる」というもの。
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確かに内容としては正しいのですが、なぜ保護者がこれまで「おむつに名前を書いて持ち帰り」する行為をおかしいと言えなかったかというと、「子育てはしんどいもの」「ラクすることはダメ」という空気が保護者・保育所内にあったからだと思うのです。

ですので、我々が「子育てが楽になる」とストレートに訴求してしまうと、サービスを使いたいと余計言いづらくなってしまう。むしろ朝の登園準備など、どれだけ「子育てが大変」かを私たちが代弁することで、少しでも共感いただき「ラクしてもいい」と思える空気を作るべきなんじゃないかと考えました。

おかげさまで想定以上のメディア露出を獲得することができているのですが、それは辻希美さんの持つポップな魅力に加えて、保護者の方々の日々の大変さを代弁し、社会的に評価・共感していく流れを作れたからと思っています。

──直接的に商品効果を訴求するのではなく、アプローチしている社会課題にスポットライトをあてられたのですね。

そうですね。そもそも「おむつに名前を書いて持ち帰り」の認知度が低い中でしたので、この手法が上手くいったのだと思います。

ただし、もう1度同じことをやってPRとして成功するかというと、おそらくそうではないと思います。メディアというのは時流が必ずあって、今、メディアにとってどんな話題を発信することがメリットになるのか、空気を感じながらメッセージを出していくことがすごく大切だと思います。

文=伊藤紀行 提供元=DIMENSION NOTE by DIMENSION, Inc. 編集=露原直人

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