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2022.07.29 08:00

大谷翔平の「エンゼルス」オーナーが今買っている株式銘柄とは


看板広告事業から球団オーナーへ


現在77歳のモレノは、もともと看板広告事業で財を成した。彼は、1999年に当時経営していたOutdoor SystemsをInfinity Broadcastingに87億ドルで売却し、約14億ドルを手にした。現在のモレノの財産の大半は、2003年に約1億8400万ドルで買収したロサンゼルス・エンゼルスが占めている。フォーブスの推計によると、エンジェルスの価値は負債を含めて約20億ドルで、昨年から9%増加している。モレノにとっては、20年弱で投資額が11倍に増加したことになる。

「エンジェルの価値は急騰している」とモレノは言い、その要因として、コロナ禍で消費者が控えていたエンターテイメントに対する需要が一気に回復したことを挙げた。

モレノは、不動産投資も積極的に行っている。彼は、全米で最も成長している都市であるフェニックスや南カリフォルニアで、約5億ドル相当の未開発地やショッピングセンター、アパートメントビルなどを所有している。彼によると、不動産に対する投資家の需要は急激に高まっているという。

モレノが不動産投資を始めたのは、1999年に看板広告の会社を売却した後のことだ。彼は、以前より不動産市場は値上がりが続くと見ているが、FRB(米連邦準備制度理事会)が金融引き締めを強める中、さらに強気になっている。「若者たちには、何かしらの所有権を持つことを勧めている。私はそれを、岩のかけらを買うことと呼んでいる」とモレノは述べた。

彼は、長年にわたる共和党の献金者で、2020年の大統領選挙では、再選を目指すドナルド・トランプを支援した。

「今後24〜36カ月で、株式市場に投資するチャンスが訪れるだろう。その時期は、12〜18カ月後かもしれない」

時間軸が曖昧に聞こえるかもしれないが、モレノは投資の達人であることを公言しているわけではない。「底値と天井の見極めは不可能に近い。要は、長期投資の覚悟があるかどうかだ」と、看板広告業界のビリオネアから野球界の大物となったモレノは、自身の投資哲学を述べた。

編集=上田裕資

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