ビジネス

2022.07.28 09:30

業績不振だったJ.クルーの復活が始まる 16カ月連続で売上増

安井克至
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新しいデザイナーが会社を活性化させるのを目にするのはとてもエキサイティングだ。筆者はいくつかのデザインを見て、新鮮で新しいアプローチが今必要なのだと確信した。

しかし、この業界は厳しい時代を迎えている。多くの店舗が在庫過多で、価格高騰によりセールの魅力が薄れている。大きなセールイベントで在庫水準が下がることを筆者は期待している。すでにここ数週間で、Macy’s(メイシーズ)やBest Buy(ベストバイ)によるブラックフライデーセールが行われたが、こうした販促活動はJ.クルーにとって難しい問題となりそうだ。J.クルーが新しい顧客層を開拓しようとしているときに、周りがセールだと騒ぐのは向かい風となる。

高い在庫水準は、業界全体に問題を引き起こすと思われる。小売企業の在庫問題はパンデミック時の2年近くにわたる好調な売上と利益に続くものだ。政府からの補助の小切手で懐が潤った消費者は、電化製品や家の修繕アイテムを買い求めた。しかし政府からの小切手がなくなり、インフレも進んでいるため、消費者は自由に使える支出を控えるようになった。その結果、小売業者は春以降、増える一方の在庫に悩まされている。

Target(ターゲット)は先月、在庫の評価減により利益が減少すると警告した。Walmart(ウォルマート)ですら、値下げと利益への影響の懸念を発表するなど、これらの問題は大きな影響を及ぼしている。Walmartの利益に関する警告は珍しい。同社はパンデミック以前からオンラインプレゼンスの拡大と店舗網の再設計により、一貫して増益を続けていた。

J.クルーが才能と熱意のある新しいチームによって明らかに回復したことを称賛する一方で、Walmartの警告が小売業界に広範に影響を与える可能性があることに注意することが重要だ。そうなると、J.クルーのような再活性化した企業や新興企業が顧客を惹きつけることが難しくなる。環境がそれほど厳しいものにならず、減収減益が一過性の痛みにとどまることを願っている。

翻訳=溝口慈子

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