ビジネス

2022.08.03 08:00

WAGMIの精神でチャレンジ Web3における日米起業家の温度差と可能性 

松崎 美和子
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これについてはもちろん可能性として否定はしない。政府が新しいアイデアやスタートアップの後押しをするのも大歓迎だし、これによって起業しようと思う人が増えてくるのはとても喜ばしいことだ。

だが、ここには大きな罠が潜んでいるような気がしてならない。前回の記事でも書いたが、Web3が本質的に顧客にとってどのような価値を提供できるのかというのはまだ明らかになっているとは言えない。

話題になっているNFTにしても、確かにデジタルのコンテンツに値段をつけて流通させることに貢献はしたかもしれないが、現時点ではまだ投機の対象としての色が強く、本当に社会の中でフェアな形でクリエイターが報われるような仕組みになったかといえば、まだであろう。

Web3に対する期待値があまりにも高すぎると、時間が経ってうまくいっていないことが明らかになった時に来る反動が、日本のスタートアップのエコシステムや、起業に対する世間からの見方にネガティブな影響を与えてしまう可能性があるのではないだろうか。


AerialPerspective Images / Getty Images

一方でアメリカにいて起業家たちと話をしていて肌で感じるのは、彼らの純粋な好奇心と、まだ見ぬ世界を自分の力でつくることができるかもしれない、世界を変えることができるかもしれないという、個人のレベルでのワクワク感である。

働いていたスタートアップがGAFAに買収された後も高給で雇われ続けて何の不自由もなかったエンジニアや、既にビリオネアで悠々自適な生活を送っていた元起業家がWeb3の世界に飛び込んできて楽しそうにしていたりするのを見聞きすると、日本を見ていて抱いていた懸念などどこかに吹き飛んでしまう。

もちろん日本においてWeb3で起業している起業家だって同じワクワク感を持っている。でも、もしWeb3がうまくいかなかった時に、そこに彼ら彼女らが安心して次に挑戦できる環境が果たしてあるのだろうか? Web3を後押ししてきた政治家や役人たちは、組織や周囲のしがらみを乗り越えて軌道修正して、次に来る新しいテクノロジーの波やスタートアップエコシステムを引き続き応援していくようなことができるのだろうか?

これまでの日本ではそんな心配をしなければいけない光景が、過去に何度も繰り返されてきた。同質性の高い社会とその価値観の中で、リスクを取って挑戦する人たちを、うまくいっているときは持て囃すが、ひとたび失敗すると徹底的に叩いて抹殺するという状況は、ソーシャルメディアが幅を利かせるようになって以来、日本ではさらにひどくなってきているように思える。
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文=村瀬 功

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