「ハロー効果」が医師や弁護士などの専門家選びに与える影響

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「ハロー効果」は、患者やクライアントを惹きつけるのに役立っているのか、それとも邪魔しているのだろうか?

シェリー・ガットリーブは、ハロー効果が、クライアントや患者が医師や弁護士などの専門家を選ぶ際にどのような影響を与えるのかに注目している。彼女の研究は、医師や弁護士だけでなくマーケティング会社、戦略コンサルタント、ビジネスプランナー、ファイナンシャルプランナー、ビジネスコーチなどにも役立つものだ。

「医師選びの習慣は、意識・無意識の両レベルで、その患者の持つ多くのバイアスに影響される」とガットリーブはいう。「ある人は、近所の人や家族の友人である特定の医師を利用することを義務に感じるでしょう。また、あるポジティブな特徴が他の要素に勝る場合、ハロー効果が起こるかもしれません」という。

Simply Psychologyのライターであるアイーシュ・ペレラによると、100年前にアメリカの心理学者エドワード・ソーンダイクが、彼の論文『A Constant Error in Psychological Ratings』で、ハロー効果を初めて実証的に確認した。簡単に説明すると、ハロー効果とは、誰かに対する見方が、その人の他の特徴についての考えによってポジティブに影響されるときに起こる精神的なバイアスのことだ。ペレラは、ハロー効果は「他人の知性や能力に対する私たちの認識を形成することができる」と述べている。医師やマーケティング会社、コンサルタントの選定など、さまざまな場面で見られる。

「ハロー効果の例として、魅力に関するステレオタイプがあります。これは、肉体的に魅力的な人に対して、ポジティブな資質や特徴を割り当てる傾向のことを指します」とペレラは述べている。「人はしばしば、魅力的な人は道徳性が高く、精神衛生に優れ、知性が高いと判断する傾向があるのです」

ガットリーブは、インディアナ州カーメル在住のビジネス心理学者だ。彼女はシカゴ心理学大学院でビジネス心理学の博士号を取得した際、患者がどのように医師を選ぶかを研究した。また作家、心理学教授、非営利団体のアドバイザーとしても活躍している。
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翻訳=Akihito Mizukoshi

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