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2022.07.27

「写真よりもビデオ優先」で大反発食らうインスタグラムの苦境

Primakov / Shutterstock.com

インスタグラムの責任者のアダム・モッセリは7月26日、「今後はより多くの人々の関心が動画にシフトしていく」と述べ、かつて写真がメインだったインスタグラムが、競合のTikTokを模倣しているという批判から、自社の決定を擁護した。同社の動きは、フォロワー数が合計で7億人のセレブ姉妹、カイリー・ジェンナーとキム・カーダシアンらの怒りを買っている。

インスタグラムの親会社のメタは先週、アプリに変更を加え、15分未満の動画はすべて、「リール(Reels)」として取り扱うと発表した。リールは、TikTokのFor You Pageに非常によく似たコンセプトの機能だ。

インスタグラムが動画に重点を移す動きに、複数の大物クリエイターらが反発している。カーダシアンとジェンナーは、「インスタグラムをもう一度インスタグラムにしてほしい」と投稿し、他の多くの人々もこの姿勢を支持している。

キム・カーダシアン(左)とカイリー・ジェンナー(右)
キム・カーダシアン(左)とカイリー・ジェンナー(右、Getty Images)

モッセリは26日に投稿した動画で、「インスタグラムは時間とともにビデオに重点を置きつつある」と述べ、それがユーザーの関心に応える動きだと説明した。彼は、「今後もまだ写真をサポートし続けるが、動画への注力を進めていく」と話した。

モッセリはさらに、クリエイターが「より多くの人にリーチ」し、フォロワーが新たなアカウントを発見しやすくするために、レコメンド機能を強化していくと述べた。インスタグラムは現在、「フルスクリーン」表示のテストを実施中だが、この機能もまた、TikTokの模倣と受け止められている。

ジェンナーやカーダシアンのようなクリエイターは、友人の写真を簡単に見られなくなったことに怒っているだけではない。新しいアルゴリズムの導入は、プラットフォームをマネタイズに用いているインフルエンサーたちに、コンテンツの変更を迫ることになる。

TikTokとの熾烈な競争


しかし、TikTokのインフルエンサーたちも、マネタイズのゲームに参入している。フォーブスは今年1月、TikTokで最も稼ぐクリエイターの上位5人の2021年の収入の合計が5550万ドル(約76億円)で、2020年から500%増加したと報じていた。彼らの多くがブランドと提携し、映画やテレビ番組を立ち上げていた。

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インスタグラムは、TikTokが爆発的な成長を遂げた直後の2020年にリールを立ち上げた。メタのCEOのマーク・ザッカーバーグは2月に、「TikTokとの前例のないレベルの競争に直面している」と述べ、これに対抗する手段としてリールに注力することを明らかにした。

ウォール・ストリート・ジャーナルは今年4月の記事で、ザッカーバーグが人工知能(AI)を使って投稿をレコメンドしていくと語ったと報じたが、これもTikTokと同様の戦略だ。

インスタグラムの月間アクティブユーザー数は昨年12月時点で20億人とされていた。一方、TikTokのユーザー数は昨年9月に10億人を突破したとされている。

編集=上田裕資

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