しかし、なぜ労働者はまだこの船に飛び乗るのだろうか? ウイリス・タワーズワトソンの『2022 Global Benefits Attitudes Survey(2022年グローバル福利厚生意識調査)』によると、回答者の半数以上が、別の職務を探す理由のトップは給与であると答えている。同時に、20%近くが同じ給料なら転職すると答えている。また「給与」に続いて、「福利厚生」「雇用の安定」「柔軟な勤務形態」「定年退職金」が転職理由の上位に挙げられている。
より良い給与や特典を求めるだけでなく、生活の中での仕事の位置づけを見直すために退職する社員も増えているようだ。この2年間で、多くの人が自分の価値観や優先順位を見直すようになったのは、驚くにはあたらない。もし、あなたがそのような状況にあり、自分のキャリアを再構築する準備ができているなら、以下の7つの戦略を参考にして欲しい。
「なぜ」を決める
まず、なぜキャリアを改革したいのか、自分に問いかけてみよう。もっと柔軟性が必要? やりがいを感じられない? 昇進の機会がない? この問いに対する答えは、あなたのこれからの人生の土台となるため、非常に重要だ。また、面接で聞かれる可能性のある質問でもある。その場合は、前向きな姿勢で、自分が転用可能なスキルを強調しよう。
自分の価値観を把握する
人生を通して、私たちの価値観は変化していく。そして、個人の価値観と仕事が一致しないと、フラストレーションを感じたり、やる気を失ったりするものだ。自分にとって最も大切なものは何かを考え、上位5つの価値観を挙げてみよう。例えば「安心感」「自由」「「柔軟性」「誠実さ」「家族」などだ。
例えば、家族が一番の価値観であるにもかかわらず、80%の時間を出張に費やすような職務は、おそらく合わないだろう。また、誠実さが大切なのに、怪しげな取引で知られる企業への転職を考えているのなら、他を探すべきという確実なサインだ。
常識にとらわれない
もしあなたのキャリアが、自分が「やりたいこと」ではなく「できること」に焦点を当てているとしたら、今こそ常識にとらわれない考え方をするときだ。仕事やプライベート、あるいはボランティア活動を通じて身につけた、隠れたスキルや才能に目を向けてみて。子供の頃を思い出してみよう。どんな才能を周囲から褒められただろうか? 他より人目を引くものは何だろう? 仕事以外の時間に何をするのが好き? 関係ないものなど何もない。自分の頭の中の制約から抜け出して、可能性を広げてみよう。