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2022.07.28 14:30

DX改革進むBリーグ チェアマンら語る「バスケ x Web3」の可能性


Bリーグの専務執行役員であり、NFT等のプロジェクトを推進する佐野正昭氏にも話を聞くと次のようにん語った。

「レブロンのような強力なスターがいるだけでなく、NBAとは絶対的なファンの数が異なります。さらにコレクションの希少性を競う『トレーディングカードの鬼』のようなファンがいる。高額トレーディングの文化と場があらかじめ存在したというベースも違います。BリーグがNFTを始めたからといって、いきなり爆発的な人気にはならないでしょう。

むしろ、ファンとクラブ、ファンと選手のつながりを形成する新しいコミュニケーション手段だと捉えています。例えば『あの時行った、あの試合の、あのシーンをNFTで持ってるよ』という会話が生まれることに期待しています」

「ファンタシースポーツ」の導入も始まっている。ファンタシースポーツとは、実在する選手の活躍を予想し、選んだ選手の試合成績がポイントに置き換えられ、他ユーザーと合計点を競うゲームだ。今年3月、スマホゲームのマイネットが「B.LEAGUE#LIVE2021」をスタートした。

2019年のチャンピオンシップではすでに実証実験が行われており、Neo Sports(ネオスポーツ)とともにユーザー対戦型「ファンタシー ワン・オン・ワン」という取り組みを実施した。

ファンタシーワンオンワン

2018年のチャンピオンシップと比較すると、試合の前々日からBリーグ公式サイトへのアクセスは急増。試合後についてもSNSを始めとするオンライン上でコミュニケーションが活発化していたという証跡があるそうで、デジタルメディアそのものを活性化させる原動力でもあると明かした。

佐野氏は「リーグの価値を上げ、盛り上がるファンタシースポーツ文化を醸成して行きたい。ビジネス的には、そこにスポンサーが現れるようになると良い」とした。

B1の強豪チーム・DeNA川崎ブレイブサンダースではすでに2月からチーム独自の「PICK FIVE」というファンタシースポーツに取り組んでおり、チームとしてもファンベースの新たなコミュニケーション構築を進める。こうしたゲーミフィケーションについては、時の流れとともに醸成が進んで行くことだろう。
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文=松永裕司 編集=露原直人

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