新B1への参入条件として、各クラブには以下を課している。
・新B1アリーナ基準を充足するアリーナ
・1試合平均4000人以上の入場者数
・年間12億円以上の売上高
この構想について、Bリーグの島田慎二チェアマンにたずねる機会を得た。
Bリーグの島田慎二チェアマン(提供=B.LEAGUE)
島田氏はこう明言する。
「バスケをはじめ、スポーツは地方創生のコンテンツとして一つのモデルになりうる。ただ、バスケ界だけで盛り上がってもビジネスとして大きくなりません。Bリーグの盛り上げをもって地域社会に活力を与えるといった社会的意義が実現されないと、我々の存在意義がありません。
アリーナも集客も売り上げも手段。あくまでも地域社会へ貢献するための基準を定義しているに過ぎません。地方創生と社会的意義、それを具現化するにはどうすべきか、逆算しての改革です」
現在Bリーグは、トップパートナーであるソフトバンクの後押しもあり、5Gなどの先進的ICT技術を活用した取り組みも積極的に進めている。
島田氏は「テクノロジーについては、Bリーグは他の競技よりも積極的に取り組んでいると思っています」と自信を見せる。
NFTにファンタシースポーツ、取り組み続々
Bリーグは4月からNFTに参入し公式サービスとして「B.LEAGUE PARK」を開始した。
提供=B.LEAGUE
先を走るNBAではNFT事業スタートから8カ月で100万人を超えるユーザー数を記録。5000万円以上で取引されたNFT動画もあり、売り上げ総額は770億円を突破した。
島田氏は「NBAがNFTに積極的なので『やればビジネスになる』と思われがちですが、やはりレブロン・ジェームズのような存在は大きいですよね(笑)」と話す。
レブロン・ジェームズはNBA史上最高の選手の一人とされ、NBA制覇にNBAファイナルMVP、レギュラーシーズンMVPをそれぞれ4度達成。18年連続オールスター出場し「キング・ジェームズ」の異名を持つ。だが、それほどの選手はまだBリーグには存在しない。ゆえに島田氏は「テクノロジーの積極的な活用は大前提ですが、まずは日本のバスケクラブや選手の価値を高めて行く必要があります」と現実を見据える。