「ヌバキソビッド」はSARS-CoV-2の遺伝子情報を基に、昆虫細胞を用いて発現させた遺伝子組み換えタンパク質と、免疫の活性化を促すアジュバント(マトリックス-M)を用いる。
すでに長年、B型肝炎ウイルスや百日咳のワクチンなどにも使用されてきた「組み換えタンパクワクチン」の技術を使って製造されている。
・冷蔵庫で輸送と保管が可能
傷みやすく、超低温環境での保管が必要なmRNAワクチンとは異なり、ノババックスのワクチンは、通常の冷蔵庫で対応が可能だ。そのため、ファイザーやモデルナ製と比べ、輸送や保管、接種が非常に容易になる。つまり、超低温冷蔵設備を用意するリソースがない場所にも、届けることができる。
・交互接種の潜在力を高める
2回目まで(また1回目)に接種を受けたワクチンとは別のSARS-CoV-2ワクチンを接種することの潜在的な利点は、昨年からすでに伝えられている。3回目(種類によっては2回目)に「ブースター」として異なる種類のワクチンを「交互接種」することは、それまでとは異なる形で免疫系の反応を促すことになるため、さらに強い反応を引き出すことができる。
ファイザーとモデルナ製の主な違いは、それぞれが含むmRNAの量。これらとJ&Jのワクチンの違いは、ヒトの細胞にスパイクタンパク質を作らせる方法だ。そして、ノババックスのワクチンは、これらのいずれとも異なる。
FDAはいまのところ、ヌバキソビッドの追加接種用のワクチンとしての使用を認めておらず、ノババックスは許可の取得に向けて、FDAと協議中だという。感染拡大が続くなか、交互接種の選択肢が増えることは、非常に良いニュースとなるだろう。