世界有数のeコマース企業Shopify社長からリーダーが学べること

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Harley Finkelstein(ハーレー・フィンケルスタイン)は、家族でカナダに移住し、17歳で最初の会社を設立するなど、起業家精神は常に彼の人生の中で大きな部分を占めてきた。現在、彼は世界有数のeコマースプラットフォームであるShopify(ショッピファイ)の社長として、他の人々がビジネスをはじめ、運営し、成長させるのを支援することによって、起業への障壁を減らそうとしている。

Shopifyは、悲惨なオンラインショッピング事業での経験から着想を得た。2004年、3人のカナダ人がスノーボード用品のオンラインストアをオープンしたが、当時は満足のいくeコマースソリューションがなく、彼らの成功を阻んだ。そこで2年後、自分たちで立ち上げることにしたのだ。

このオールインワンのコマースプラットフォームは、現在175カ国で数百万社のあらゆる企業を支援し、米国では市場シェアの23%を占めている。

顧客から社長へ


2010年、オタワのコーヒーショップで、創業者の1人であり、現在もCEOを務めるTobias Lütke(トビアス・リュトケ)と出会い、フィンケルスタインはShopifyに入社した。当時、Shopifyは誰でもオンラインストアを構築できるように支援する事業に移行したばかりで、フィンケルスタインも初期顧客の1人だった。

「Shopifyで商売を営む者として、Walmart(ウォルマート)のような企業と競合するすばらしい企業を築いた経験は、とてもすばらしいものでした」と彼は振り返る。「他の人たちが同じような経験をするのを助けたいんです」と語る。

規模よりも哲学を重視


フィンケルスタインは、同社の迅速な成功の鍵は、柔軟でダイナミックなワークスペースの文化を維持するための努力にあるという。

同氏は「私たちは大きな会社で、大きなフットプリントを持っていますが、文化的にはスタートアップ企業のように行動しています」と述べている。「(同社の文化は)野心的で、楽観的で、意欲的で、起業家精神に溢れ、1人でやっているTシャツビジネスのように感じられるはずです」と語る。

彼によると、大企業は文化を「固定化」する傾向があり、すべての新入社員はそれに順応しなければならない。しかしShopifyでは、新入社員は全員、組織内にポジティブなインパクトを与えることができるのだ。

「文化は静的なものであるよりも、動的なものであり、生きた木であり、進化させるものです」と同氏は語る。「だからこそ、大学時代にTシャツを売って身につけたスキルを、上場している大企業を経営しながら、今日も使うことができるのです」

地理的に多様なチーム


Shopifyの哲学の1つは、同僚と良好な関係を維持することは、どんなに距離が離れていても利益をもたらすという信念だ。

「ハイブリッド型は優柔不断と思われがちです」と同氏はいう。「私たちはもっと明確に断固とした態度で『どこでも働けるが、必ずあなたとチームは集まること』といおうとしているのです」
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翻訳=Akihito Mizukoshi

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