アマゾンが配送ドライバーの安全性を向上させる「フリートエッジ」技術を発表

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先月、アマゾンはデリバリーサービスパートナー(DSP)プログラムを補完するいくつかの新しい技術を追加した。その技術の最新版が「Fleet Edge(フリートエッジ)」だ。これは、変化し続ける道路状況をナビゲートし、ドライバーの安全運転と予定通りの配送を支援する新しいソフトウェアだ。(訳注:DSPは日本では「配送パートナー」「デリバリープロバイダー」などと呼ばれている)。

DSPプログラムに参加することで、起業家はアマゾンのテクノロジー、物流、運営に仕組みを活用しながら自分のビジネスを展開することができる。このプログラムは、アマゾンが顧客のニーズを満たすために事業主のモチベーションを高められると同時に、何十万もの雇用を創出できるという、双方にとってすばらしい仕組みなのだ。

毎日何十万人もの従業員やパートナーが路上を走り回っているアマゾンは、安全性を高めるためのソフトウェアやツールを常に提供することに全力を尽くさなければならない。さて、もし路上で変わらないものがあるとすれば、それが絶えず変化しており、しばしば適切に案内されていないことだ。安全性の向上は並大抵のことでは実現できず、新しいソフトウェアの導入やテストには通常何年もかかるが、アマゾンは絶えずこの課題に取り組んでいるようだ。それでは、発表内容を掘り下げてみよう。

アマゾンDSPプログラム


アマゾンDSPプログラムには4年以上の歴史があるものの、アマゾンがどのようにビジネスオーナーとパートナーシップを結んでいるのかを理解していない人も多いだろう。このプログラムでは、アマゾンが物流やビジネスに関するトレーニングを提供し、一方でドライバーが商品を顧客に届けるというビジネスを運営する。ビジネスオーナーはチームの規模を拡大してビジネスを展開することができ、アマゾンは拡大する運用インフラを提供することができる。

アマゾンは、起業家がビジネスを開始するためのツール、テクノロジー、資金を提供し、最終顧客がアマゾンのすばらしい顧客体験を、すばやくシームレスに得られるようにする。

一歩下がって今の経済を大きな視点で眺めると、この2、3年で変わったことがたくさんある。世界の大部分ではパンデミックが収束しつつあり、人々や企業は仕事に戻りつつある。すばらしいのは、これを起業のチャンスと捉えて、ビジネスを始めたり、新しい商売に参入したり、ビジネススキルを向上させたりしている人が多いことだ。

DSPプログラムには4年あまりの歴史があるが、この4年間で、多くのビジネスオーナー、下請けの仕事、そして莫大な経済効果を生み出した。以下に、その驚くべき成果の一端を要約しよう。

・DSPに登録された3000社は、合計27万5000人以上の雇用を創出している

・DSPプログラムはカナダ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、アイルランド、ブラジル、オランダ、インド、ベルギー、オーストリアなど、14カ国以上で展開されている。2022年5月には、サウジアラビアでDSPプログラムが開始され、DSPが運営される最初の中東国となった

・アマゾンは、最先端の技術、安全性、車両、アマゾンDSPとドライバーのための専用サービスのために10億ドル(約1360億5000万円)以上を投資した

これらすべてを、人手不足や、みんなが「普通」に戻りつつあることで引き起こされた経済的チャンスのおかげだということはできない。アマゾンは、協力企業やパートナーに投資すればするほど、プログラムが成功することを理解しているのだと思う。新しい技術やツールへの地道な投資を続けているのだ。アマゾンがDSPプログラムを成長させる中で、次の投資先はドライバーの安全確保なのだ。
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翻訳=酒匂寛

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