相手の「ノー」を恨まない
セフォラは間違いなくすばらしいパートナーだった。私に冷たい態度をとったあのヘッドバイヤーは、ずいぶん前に会社を辞めて、美容業界からも姿を消していた。今私たちと働いているバイヤーやチームは、協力的で親切、そして聡明な、世界級の人たちだ。新たな美容起業家をたびたび発掘しては、世に送り出す手助けをしている。
この物語をあなたに伝えている今では、私たちは全国のセフォラで、スキンケア部門のトップブランドの1つに名を連ねている。何年ものノーから、最終的にはトップブランドに成長し、楽しくて、良好なパートナーシップまで結んでいるのだ。
今この瞬間に、あなたがどんなところで行き詰まっていようと、それはあなたの行き先を示すものではない。あなたや、あなたの夢に対する他人の疑いを、頭の中で自分への疑いに変えないこと。そして、相手の不信感やノーを恨まないこと。
これはものすごく大切なことだ。誰かが私たちを傷つけたり、信じてくれなかったりする時に、相手に恨みを抱くのが私たち人間の性だ。けれど、もし私が、かつて拒絶されたあらゆる人に対して恨みを抱いていたなら、あのノーの数々をたくさんの栄光のイエスに変えることは、絶対にできなかっただろう!
自宅リビングから1億ドル企業へ……
文字通りすべてがこの手にかかっている時に、自分の直感を信じて決断をくだしたことで、後になってすべての扉が開いた。あの一瞬こそ、自宅リビングで始めた夢が、1億ドルの会社に変わる重要なきっかけとなった。
私たちの持つ直感は最高のスーパーパワーの1つだと、私は心から信じている。誰もがそれを持っている! 今この瞬間も持っている!
私たちがたびたび直面する最大の試練の1つは、私たちの頭の中、心、他人、専門家、SNS上の荒らし、友人、家族、パートナー、同僚たちの言うことが、直感が伝えていることとまったく違う時──そして、どちらに耳を傾けるのかを決めなければならない時だ。
自分の直感に従うことを妨げようとするものに気がつくことが、カギを握っている。過去の失敗や自己不信、第三者の意見といったものだ。これらが私たちの直感を曇らせる。けれど、それに気づいたなら、あなたの力は取り戻せる。
私たち1人ひとりが直感を持っている。その直感にうまく波長を合わせれば合わせるほど、ウソ偽りのない自分の姿や、自分たちの全力に、もっと踏み込めるようになっていく。そして、自分とじっくり向き合うことも大切だ。時には、自分の直感を磨き、それを信頼できるようになるまで、長い道のりになることもある。
自分たちがどこから来たのか、ずばりどれほど遠くまで来たのか、そして今いる場所にたどり着くまでにどれほど強くあらねばならなかったのか、そんなことを見つめながら、自分を育む必要があるのかもしれない。
直感を信じて
拒絶、失敗、そして直感が間違いだったと知った時でさえ、すべては人生という旅の中で得られる贈り物だ。ムダにしないでほしい──すべては価値ある学びなのだ。その学びを、本能や直感を磨くために使える。その学びを使えば、ライバルからの雑音と、的確なアドバイスとの違いを知ることができるようになる。
私たちを疑う人が障害や困難に目を向ける時でも、私たちの直感は、私たちを解決策へと導いてくれるだろう。私たちが学べば学ぶほど、直感がささやいてきた時に、得られた情報を理解して、上手に受け入れられるようになっていく。
この積み重ねが自信を育み、最終的には、あなたの直感は他の誰かのアドバイスよりも、ずっと力強いものだとわかるようになるのだ。
Believe It 輝く準備はできてるか(ジェイミー・カーン・リマ著、森田理沙訳、2022年7月、東洋経済新報社刊)