「恐れ」を玉座に座らせるな
私たちのミッションは、売上よりもずっと大きいものだった。安全策を取ることは、愛ではなく、恐れを玉座に座らせるということだ。そして人生全般に言えるように、恐れや他人の意見に流されて何かを決めてしまうと、本当に大切なあらゆることが犠牲になることも多いのだ。
QVC(注:米国最大のテレビショッピング番組、リマ氏はもここへの生出演で「IT Cosmetics」の商品を売っている)での販売を成長させながら、それまで私たちにノーを突きつけていた、あらゆる美容小売店にアプローチし続けていた。最終的には、彼ら全員からのイエスを、1つひとつ勝ち取った。
QVCへの初出演から1年後、1つ目のイエスはアルタ・ビューティーからやってきた。彼らはすばらしい情熱とパートナーシップのもとに、全国の店舗で私たちの商品を熱烈に売り出した。私たちのビジョンを理解した彼らは、私たちと一緒に全速力で進んでくれたし、共同ブランドの化粧ブラシ一式でも手を組んだ。化粧ブラシや化粧品も合わせて、私たちは、全国にある彼らの店舗でもっとも売れる、ナンバーワンの高級ブランドに成長した。
スゴイことだと思わない? ノーから始まって、もっとも売れるブランドになるなんて! それから......準備はいい? 拒絶された「あの会議」から1年後、私たちはついに、セフォラ(注:モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン傘下で化粧品や香水を扱う小売店。顧客が、商品を自由に試すことができるのが特徴)からのイエスを手に入れた!
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想像してほしい。私たちはQVCで快進撃を続けていたけれど、セフォラからノーを突きつけられる過酷な日々は、それから何年も続いていた。私たちの商品が売れるという証拠を見せた後でさえ。もしセフォラが男性だったとしたら、友人たちはこう言うだろう。「彼はあなたにふさわしくないわ。いい加減手放さなくちゃ。そこまであなたに夢中じゃないのよ」と。しかも、これは彼女たちが機嫌のいい日に用いる言葉だ。
拒絶されたと心が感じる時、魂が削られていくこともあるだろう。特に、その拒絶は個人攻撃に違いないと感じてしまう時は。でもビジネスをするうえで、イエスが欲しい、長期的に勝利を収めたいと思うなら、拒絶を個人的に捉えてはいけない。
これは多くの起業家が犯す過ちだ。あなたは目の前の試合に集中しなければならない。実践するのは難しい。けれど、勝利を手中に収められるなら、やるだけの価値は十分にある。