せめて月に一度、可能なら二度でも三度でも、誰にも邪魔されず、リモートワークでも、寛ぎでも、遊びでも、自分のために滞在してみるといい。
日本のホテルは旅館の歴史と相俟って、伝統的かと思えば西洋のホテルのごとくスタイリッシュに最新鋭設備を纏う、東西融合の技や感性はピカ一だ。もてなしも、デザインも、世界レベルへと進化を遂げている。
まずは週末、金曜日の夜にチェックイン、ゆったりと日曜日が終わるまで、我儘な時を満喫するのが大人のホテルの流儀である。
ホテルジャーナリスト せきねきょうこ
世界に誇るもてなしの極意はきめ細やかなウォームタッチ
ホテルの住所は千代田区丸の内 1-1-1、まさに首都東京の中心に位置する「パレスホテル東京」である。1961年「パレスホテル」として開業した老舗ホテルは、2012年5月17日、長い時を経て壮大なリニューアルを終え、すっかり変貌を遂げて再開業に至った。新生したホテルは、この時以来、確実にターゲットを広げたばかりか、一般、業界を問わず高い評価を受け続けている。
明るい日差しに照らされる堂々たる外観。皇居外苑に位置するロケーションの良さは唯一無二
再スタートしたホテルは、実際、前ホテル以上にメイド・イン・ジャパンのホテルらしさが際立っている。それはただインテリアや雰囲気ではなく、新しさの中に感じる日本のホテルとしての誇り、そしてパレスホテルの培ってきた哲学によるものであろう。
ゲストへのカスタマイズされたサービスはもちろんのこと、ブランドコンセプトとして掲げた「美しい国の、美しい一日がある。」という意義に沿い、この言葉に隠された5つのホテルマインドが創出されているからに違いない。
挙げられた5つとは「自然との調和」、「グローバルベスト」、「五感クオリティ」、「究極のパーソナルタイム」、「真心のおもてなし」であり、これら提供価値を実現し、ホテルの礎となるよう、常に上質であることを目指し再スタートが切られたのである。
「パレスホテル東京は変わった!」と自他ともに認める中、斬新さも伝統も備えたエレガントなホテルとして若い女性客の増加が顕著だ。たとえばアフタヌーンティーの様子を見れば一目瞭然。またそれに加え、幅広い年齢層のゲストが出入りし、時には海外の国賓や要人も迎えるという、東京を代表する高級ホテルとして存在感を示している。
ロビーが2か所あるホテル。写真の広々とした空間は、主に食事やお茶会、宴会に訪れるゲスト用、隣接するもう一か所は滞在ゲスト用のプライベートなエリア