打ち上げ準備
ケネディの探査地上システムプログラム、シニアビークルオペレーションマネージャーのクリフ・ランハムは「7月2日にロケット組立棟にやってきてから、私たちのチームはアルテミス1号打ち上げのためのSLSロケットとオリオン宇宙船の準備を進めてきました」とブリーフィングで述べた。「その中には、前回の完全予行演習でエンジニアが発見した、水素漏れの原因を修復することも含まれています」
打ち上げのタイミングが正確な理由
正確な打ち上げ日は慎重に計算する必要があるが、それは月の位置、太陽電池を搭載した「オリオン」が飛行しなければならない宇宙空間における星による影の影響、そしてミッションを完了させる着水のタイミングに依存している。
NASA本部のアルテミスミッションマネージャーであるマイク・サラフィンは、ブリーフィングで「8月30日から9月1日の間に、影の影響を受けるタイミングがあります」と述べた。「オリオンが軌道を外に向かっているとき、太陽と地球の位置関係により、宇宙船が地球の影に隠れてしまうため、発電ができない期間が3日間あるのです」
計画されているNASAのアルテミスプログラム
アルテミス1号が行うこと
アルテミス1号では、SLSが打ち上げられて地球を周回した後、オリオンとESMを月の楕円軌道に送り込み、月の表面から62マイル(約99.8キロメートル)以内ならびに月の向こう側約4万マイル(約6万4400キロメートル)まで到達させる。
打ち上げから3週間後に、オリオン宇宙船はサンディエゴ沖の太平洋に着水する予定だ。
オリオン宇宙船の熱シールドのテスト
「オリオンの熱シールドの検証が、私たちの主要な目的です、次のミッション(アルテミス2号)でオリオンにクルーを乗せる前に当然必要な活動だと考えています」とサラフィンはいう。「オリオンが月から帰還するときは、時速約2万4500マイル(約3万9400キロ)、マッハ32で飛行し、熱シールドの外側は太陽と同じような高温になります」
熱シールドは地上で広範囲にわたるテストを受けてはいるが、今回テストされるのは地球低軌道から帰還する宇宙船が経験するものよりもずっと速くずっと高温の条件だ。
SLSとサターンVの比較
開発に約12年を費やしたNASAのスペースローンチシステム(SLS)ロケットは、高さ322フィート(約98.2メートル)、重さ575万ポンド(約2608トン)だ。最大推力は880万ポンド(約3992トン)で、これは1960年代後半から1970年代前半にアポロ計画を月へ運んだサターンVロケットよりも15%大きい推力だ。
「今日の記念日は、今回のようなミッションに参加することがいかに特権的であるかを思い起こさせてくれます」とサラフィンは語った。「アルテミス1号ミッションだけに集中しているわけではありません。月への再着陸や火星行きの準備など、より大きな視野を見失わず日々の業務に取り組んでいます。打ち上げの日はすぐにやってきますよ!」
より良い観察眼とともに宇宙の視界が開けますように。