アルテミス1号は、2024年または2025年に女性ならびに有色人種の初月面着陸を目指す有人ミッション「アルテミス3号」の、重要な前段階の実験飛行となる。
この発表は、アポロ11号の宇宙飛行士が月面に着陸した歴史的な日から53年目に行われた。
ワシントンのNASA本部、探査システム開発ミッション本部、ジム・フリー副管理官は「現在8月29日、9月2日、9月5日の打ち上げ候補日があります」と米国時間7月22日のプレスブリーフィングで述べた。「打ち上げの1週間ちょっと前に行われる飛行準備審査で、NASAとしての正式発表を行う予定ですが、現段階ではこれらがチームの取り組んでいる日程です」
重要なのは、この3つのオプションを選ぶことで「アルテミス1号」の長期ミッションが可能になるということだ。
アルテミス1号とSLSの最新打ち上げ予定日
アルテミス1号ミッションにおけるSLSとOrionの具体的な打ち上げ候補日程は以下のとおりだ(以下いずれも米国時間)。
・2022年8月29日:東部標準時間8時33分に打ち上げウィンドウが開く。2時間の枠だ。期間は42日間で、着水目標は2022年10月10日である。この日程に合わせるための発表予定日は、2022年8月18日となる
・2022年9月2日:東部標準時間12時48分に打ち上げウィンドウが開く。2時間の枠だ。期間は39日間で、2022年10月11日に着水する予定だ
・2022年9月5日:東部標準時間17時12分に打ち上げウィンドウが開く。開いている時間は1時間半、ミッションの期間は42日間で、着水目標は2022年10月17日だ
アルテミス1号とは?
2021年から延期され、現在8月に打ち上げが計画されているアルテミス1号は、NASAのオリオン宇宙船、欧州サービスモデル(ESM)、そしてNASAの世界最強のロケットである未試験のSLSを使って月を周回する無人飛行試験ミッションだ。
宇宙船内部には宇宙飛行のデータを収集するためのマネキンが3体乗船する予定である。「Helga(ヘルガ)」「Zohar(ゾーハー)」「Moonikin Campos(ムニキン・キャンポス)」という名の3体がアルテミス1号のミッションで放射線レベルの検出や各種センサーのテストを行う。
1号機の打ち上げに向け、システムの確認やカウントダウンの手順を練習するための完全な予行演習は3月に初めて行われ、直近では6月下旬に行われた。この予行演習で、NASAのエンジニアはT-29(打ち上げ29秒前)までカウントダウンを行い、多くのコマンドを実行した。