──どうすれば、無意識の偏見は改善されるでしょうか?
絶対にこれをやったら効果があるという手っ取り早い方法が、ないことはわかっています(笑)
「ボランティアをしてください。そうすると障がいに対する眼差しが変わります」などと言ってしまいがちなのですが、それだけでは無意識バイアスを変えられないどころか、中途半端な関わり方をすると、むしろ偏見が強まることも見えてきています。
まだ色々な仮説を検証している段階ですが、障がい者とのチームワーク体験であったり、一緒にゴール(目標)を目指す体験をすることによって、無意識バイアスが変化するという先行研究があります。
実際「UB-Finder」のテストでも、障がい者雇用を子会社などで切り離してやる会社より、一緒に働いてる会社の方が無意識バイアスのスコアが低く出ています。
自治体や企業向け体験型研修「OFF T!ME Biz」
──ブラインドサッカーの体験学習や企業研修はまさに、障がい者と一緒にゴールを目指す体験ですよね。
今後も「UB-Finder」を使って仮説を検証して、ゆくゆくは無意識バイアスを改善するような体験プログラムの開発、提供を目指しています。
また、我々だけで活用するのではなく、ダイヤモンド社の「アンコンシャスバイアス研修」事業にも提供しており、また、測定対象を障がいではなくセクシャルマイノリティに置き換えた「LGBT版」を認定NPO法人ReBitの研修事業に導入いただいてもいますので、一層連携していきたいと考えています。
>> トップリーグの新設、ふるさと納税型クラウドファンディングの導入といった新たなチャレンジや、これまでユニークな取り組みをどのように実現してきたのかについて、は後編記事(8月29日公開予定)にて。
松崎英吾◎特定非営利活動法人日本ブラインドサッカー協会専務理事兼事務局長。1979年、千葉県生まれ。国際基督教大学卒。ダイヤモンド社等を経て、学生時代から関わってきたブラインドサッカーを通じて社会を変えたいと、2007年11月に日本視覚障害者サッカー協会(現・NPO法人日本ブラインドサッカー協会)事務局長就任。2018年10月より現職。