「UB-Finder」はWeb画面に表示される単語を「快い」or「不快な」、もしくは「健常者」or「障がい者」のどちらかになるべく早く分類していただき、その際に無意識に抱いた違和感をシステムに記録して、スコアを算出するテストです。認知心理学のバイアス研究で確立されている、IAT(Implicit Association Test)という手法を用いています。
一般公開に先立ち、「障がいや、障がい者への無意識バイアス」に関する大規模な調査も日本で初めて行いました。
UB-Finder テスト画面
──調査結果から、何か知見は得られましたか?
約2000人を対象に行ったこの調査では、無意識バイアスは「年齢や学歴を重ねても」「顕在的態度が変化しても」「障がいのある友人知人がいることや定期的に障がい者に接していても」、変化しないという結果が出ました。
また、公開されているアメリカのデータと比べると、日本の方が障がいに対する偏見が強い傾向にあることがわかりました。自分が認識している主観的な偏見と、テストで測定された偏見とのギャップも、日本の方が大きかったです。学校で障がい者を区別したり、職場でも分断されてきた歴史が影響しているのだと思います。
【障がいや、障がい者への無意識バイアスに関する調査 結果サマリー】
1)顕在的態度と無意識バイアスには大きな違いがある
顕在的態度において、障がい者にも健常者にもニュートラルな態度であるグループは58%であった。
一方、無意識バイアスでは、障がい者にも健常者にもニュートラルな態度であるグループは15%であった。
2)顕在的態度が変化しても、無意識バイアスは変化しない
3)年齢を重ねても、無意識バイアスは低減しない
4)学歴を重ねても、無意識バイアスは変化しない
5)障がいのある友人知人がいることや、定期的に障がい者に接していても無意識バイアスは変化しない
※調査について
・調査実施日:2019年11月11日~29日
・調査対象:10代~70代(平均年齢41.0歳)の全性別
・調査人数:2099人(有効回答2060人)
・調査手法:インターネット調査