このような困難な時代に対処する最善の方法の1つは、私たちがコントロールできる唯一の側面、すなわち視点を活用することだ。
状況をどう見るかによって、物事はポジティブにもネガティブにも捉えることができる。典型的な例として、「グラスに水は半分も満たされているのか、それとも半分しかないのか」という例えがある。心理学者はこれを「リフレーミング」と呼んでいる。出来事、アイデア、概念、感情を別の方法で捉え、経験することで、よりポジティブな選択肢を見つけ、自分の考えや行動に影響を与えることができるのだ。
ここでは、このような困難な時期に、思考をリフレーミングして考え方を変えるための、驚くほどシンプルで非常に効果的な5つの方法を紹介する。
1. 良いことを見つける
悪いことや予期せぬことが起こると、私たちは急激に意気消沈することがある。そんなときは、「これはいいことだ、なぜなら……」と自分にいい聞かせ、そのシナリオにポジティブな側面があるかもしれない理由をすべて挙げてみる。例えば、自宅避難命令を受け、自宅で仕事をしていたとすると「自分や他の人の安全を守れるし、渋滞に巻き込まれることもないし、ずっと先延ばしにしていたプロジェクトに取り組めるからいいことだ」と考えることもできる。
状況の明るい側面を見つけることで、それをポジティブに捉え直し、ネガティブな考え方から抜け出せるのだ。
2. 「まだ」を加える
独立する、新しい技術を使いこなす、夢の仕事に就くなど、できないこと、持っていないことに不満を感じていると、負の下降スパイラルに陥りがちだ。
しかし、このようなネガティブな言葉の後に「まだ」という言葉をつけ加えると、よりポジティブな言葉に変わるのだ。「夢の仕事がない」は、「まだ夢の仕事がない」となる。
「まだ」は、将来的に解決策やソリューションがあることを意味し、現在の状況は一時的なものに過ぎないと考えることができる。この「まだ」をつけることで、制約ではなく、将来の可能性を語っていることになるのだ。
3. 「はい、でも……」を「はい、それと……」に変える
ストレスを感じると、物事がうまくいかない、改善されない理由を考えてしまうことがある。そんなとき、提案されたことに対して、「はい、でも……」といってしまうことがあるかもしれない。しかし、この「はい、でも……」といういい方は、相手をがっかりさせ、意気消沈させ、否定的であり、会話やアイデアの前進を止めてしまうものだ。
このような状況を打開するシンプルな方法が、「はい、それと……」の原則に根ざしたインプロ(即興)にある。即興では、一方のパートナーが相手の言動に同意し、「はい、それと……」といいながら、そこに新たなことをつけ加えなければならない。