ネットフリックスが19日に発表した2022年第2四半期(4〜6月)決算報告によると、会員数の減少は97万人にとどまり、予想の200万人よりかなり少なく抑えられた。市場は好感し、時間外取引でネットフリックス株は7%上昇した。
ネットフリックスは第1四半期に会員数が過去10年で初の減少に転じて市場に衝撃を与え、長期的な成長計画に疑問を抱いたアナリストによる投資判断引き下げが相次いだ。だが、今回の決算内容を受けて一部の市場関係者は同社の早期回復に楽観的な見方を強めている。
ウェルズ・ファーゴのアナリストであるスティーブン・カホールは、決算発表後にネットフリックスの株価が急伸したのは、会員数の伸びが「新たな崖」に見舞われない限り株価の底入れが近いことを示唆すると指摘。ネットフリックスが2023年から導入する広告付き低価格プランについても強気な見方を示している。
スティフェルのアナリストらは20日、ネットフリックスの投資判断を「買い」に引き上げた。「会員基盤に安定化の兆し」があり、会員数の減少が長期にわたって続く可能性は薄らいできていると理由を説明した。
一方で、ネットフリックスに対して非常に懐疑的な見方も引き続き存在する。バンク・オブ・アメリカのアナリストらは、第2四半期の決算内容は「懸念されていたよりは良かったが、素晴らしかったわけではない」と解説。プラットフォーム上の広告に関する計画についても、予想より説明が乏しかったと失望感を示した。
同社はネットフリックスの投資判断を「売り」としており、コンテンツにかかる経費の増大や、広告導入にともなうテクノロジーへの追加支出が今後の収益を圧迫するおそれがあるとして、目標株価も196ドルに引き下げた。
ピボタル・リサーチ・グループのアナリストらは、ネットフリックスの新たな広告付きプランについて、とくにライバル勢との競争が激化している現状を踏まえると、中核市場で会員数の伸びの押し上げにつながりそうにはないと予想。同社もネットフリックスの投資判断は「売り」としている。
ネットフリックスの株価は会員数停滞への懸念から年初来70%近く下落しており、4月に行った第1四半期の決算発表後には1日で35%急落した。