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2022.07.23

長期投資の定番ポートフォリオ「株式60/債権40」は現在も有効

Golden Dayz / Shutterstock.com


60/40ポートフォリオの今後の見通しは


60/40ポートフォリオは今後、おそらくさらに持ち直していくとみられる。まずは、債券について検証しよう。債券の利回りの予測は比較的容易だ。高品質な低リスク債券のリターンは、満期まで保有した場合の、現時点での利回りと同等と考えられる。

2022年初頭の時点では、10年物の米国債を10年間保有した場合の大方の予想リターンは1.5%だった。それが現在のレベルでは、3%弱程度を期待できるところまで持ち直した。つまり、高品質で、中程度の期間の債券のリターンは、ほぼ2倍になったということだ。もちろん、このレベルにたどり着くまでには多くの痛みが伴ったが、一部の債券資産に関しては、長期的な見通しが、6カ月前よりもずっと良くなっていると言える。

一方、株式に関しては、確実な予想をするのが少し難しくなるが、評価額は通常に近いレベルに戻りつつあり、今後10年でみると、より妥当なリターンを得られると見ていいだろう。こちらも、6カ月前にはここまで断言できなかった予測だ。

現時点で60/40ポートフォリオを捨て去ってしまうのは、「すべての商品が安売りになる可能性がある」あるいは、少なくとも「以前より安い価格で売られている」ことを理由に、何も買わずに店舗から立ち去ってしまうのに少し似ている。

確かに今後もボラティリティが高まる場面はあるだろうし、金融市場が底を打ったかどうかは定かではない。それでも、60/40ポートフォリオに関しては、2022年がひどいスタートを切ったことが、年頭の悲観的な見方よりは良好な長期的見込みをもたらす下地になったと言えるだろう。

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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