実は、氷に甘いシロップをかける今のかき氷のようなものは1000年以上も前から日本にあったといいます。かの清少納言は「枕草子」の中で、かき氷を「削った氷に甘づらをかけ、金属の器に入れたもの」、「水晶や藤の花と並ぶ上品なもの」と称しています。
「甘づら」とは、その時代の代表的な甘味料です。氷と甘づらはどちらも貴重な物だったため、平安時代のかき氷は超高級甘味だったといえます。
実は、現在のかき氷も「高級化」が進んでいるのをご存じでしょうか?
旬の果実や、貴重な天然氷などの高級食材で作られたかき氷は「グルメかき氷」といわれ、1皿1000円以上も珍しくありません。
グルメかき氷の始祖は、2003年鎌倉で創業した「埜庵」(現在は藤沢市へ移転)といわれています。
この店のかき氷は、旬の生の果物から作られたシロップ、和三盆などの高級食材のほか、日光や秩父の池で冬の寒さを利用して作られた天然氷を使用するなど、食材を厳選したこだわりの逸品です。
都心エリアにグルメかき氷専門店がオープンしたのは2011年、日暮里の「ひみつ堂」からでした。手動の機械でかき氷をかく姿が絵になることや、テレビ局から近いため多くの取材が入ったことなどが人気の理由といわれています。
現在は、甘めの練乳氷を使用した韓国のかき氷「ビンス」が若者を中心に話題となっており、まだまだかき氷ブームは続きそうです。
通年営業のかき氷専門店も登場しており、もはやかき氷は夏限定のものではなく、パフェやケーキなどと並ぶような一年中楽しめるデザートに進化しつつあります。
連載:今日は何の日?