昨今の混乱した状況下では、転職したいけれども先々のリスクがあるのではと心配になる気持ちは理解できる。問題は、雇用市場や経済が変わってしまったことだ。技術系スタートアップや暗号資産プラットフォームで働く人々は、解雇、雇用凍結、求人取り消しなどの波を目の当たりにしている。次に解雇されるのは自分かもしれないという現実的な恐怖を感じている。
だがそれは、罠にはまっているようなものだ。現在の仕事に行き詰まりを感じているが、辞めるのは怖い。なにしろ自分は事態が悪化した際に「雇われるなら最後に、解雇されるなら最初に」なるようなポジションにいるのかもしれないからだ。インフレや来たるべき不況、その他の状況から、会社や現在の安住の地の外に出ることを恐れてしまうのだ。その一方で、自分はどこにも行くこともなく、何年も同じことを繰り返している。
転職活動を始める前にジョブ・クラフティングを試してみよう
大量退職時代(Great Resignation)の流れの中で辞めるのではなく、自分のための仕事を作ろう。最初の一歩は、次に何をしたいかを考えることだ。自分が関わりたい責務、仕事、役割を考えよう。また、自分が嫌いで、誰かに手渡したいと思っているような単調なことにも目を向けてみよう。何かビジョンが見えたら、直属の上司に話を聞いてもらおう。自分の考えや目標を共有するのだ。そこで会社を愛し、そこに留まりたいが、何か新しいこと、違うことをやりたいという気持ちが溜まりに溜まっていることを伝えよう。あなたの情熱を再活性化させるものすべてを描き出すのだ。
これはまだあまり一般的なやり方ではないので、上司も最初は驚くかもしれない。みんながWin-Winになることを説明する必要もあるかもしれない。だが説明するあなたは将来が楽しみだろうし、雇用主はスター社員を失う心配がない。賢明で共感力のあるリーダーなら、あなたのニーズに耳を傾け理解するだろう。面倒見の良い上司は、あなたの正直で率直な姿勢を高く評価してくれるだろう。あなたが献身的な働き者であることを知っている人たちは、あなたの喜びとモチベーションを維持したいと思うだろう。ビジネスの観点からは、ジョブ・クラフティングは優秀な人材を留めておくための賢い手段となり得る。