これにより、同社が開発したこのワクチンは数週間以内に、18歳以上を対象とした接種が開始される見通しとなった。
感染力が強まった変異株「オミクロン株」の派生型「BA.5」が今月初めに主流となった米国では、16日の時点ですでに、感染者に占めるBA.5の割合が80%近くになっている。CDCによると、BA.5への感染の割合は、6月18日までの7日間には約29%だった。
新たに優勢となった変異株との戦いが続くなか、ノババックス製はファイザー・ビオテック、モデルナ、ジョンソン・エンド・ジョンソン製に続き、米国内で使用が認められる4種類目の新型コロナウイルスワクチンとなる。
追加接種には使用せず
米食品医薬品局(FDA)もすでに、18歳以上を対象としたノババックス製ワクチンの緊急使用を承認している。ただ、CDCは同社のワクチンを、追加接種用とすることは推奨していない。
そのためこのワクチンの接種対象は、一定数の人に限定されることとなる。CDCによれば、米国ではおよそ5人に4人が、少なくとも1回の接種を受けている。また、米国の成人のうち、1回も接種受けていない人は約10.2%となっている。
ノババックス製のワクチンは、接種による心筋炎・心膜炎の発症リスクに懸念が示されていた。だが、FDAは6月、「接種によって得られる利益は心筋炎のリスクを上回る」との見解を表明。
CDCの諮問委員会もまた、米国とメキシコで約1万7200人を対象に実施した臨床試験で発症を防ぐ効果が90.4%との結果が示されたことを受け、効果が懸念を上回ると判断した(65歳以上の高齢者を対象とした臨床試験では、有効性は78.6%だった)。
オミクロン株が主流となる前に実施されたものではあるものの、2月末に発表された別の調査では、2回の接種から6カ月後の感染予防効果は82.7%となっている。