コロナ後遺症、ワクチンで防ぐことは可能か? 研究結果

Getty Images


この研究では、米国の退役軍人の感染に関するデータの分析も行った。その結果、ワクチン接種を受けていれば、後遺症が残る可能性は15%低下していたことが示されている。

米退役軍人のデータの方が、規模ははるかに大きい。だが、対象が高齢者に偏っているほか、女性の割合が8~10%に限定されていることは、注意すべき重要なポイントといえるだろう(男性よりも女性の方が、後遺症を患う可能性が高いことが指摘されている)。

これら2つの分析結果が示唆するのは、ワクチン接種は後遺症が起きる可能性を引き下げることにつながるものの、その力は強くないということだ。少なくとも2回の接種を受けた場合においてのみ、わずかながらもその恩恵を受けることができると考えられる。

ワクチン接種は受けるべきか?


結局のところ、ワクチン接種とその後の追加接種は、受けるべきものだろうか──? 一般的には、そうだと言える。入院・死亡のリスクを低減させるためには、ワクチン接種が欠かせない。だが、後遺症に悩まされないことが目的だとすれば、その効果が大きいとはいえない。

後遺症を回避する最善の方法は、そもそも感染しないように気を付けることだろう。必要に応じて、感染を防ぐための対策を講じること。つまり、マスクの着用やソーシャルディスタンスの確保などを、心掛けることだ。

編集=木内涼子

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事